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会社員と市議会議員の両立。実現の裏にあった“人事制度イノベーション”

副業・兼業への注目度が高まる中、パーソルイノベーションでも多くのメンバーが副業・兼業を実践し、そこで得られた学びを新規事業の開発やイノベーションの創出につなげています。

こんにちは!パーソルイノベーション ビジネス推進部 採用室の小林 日奈子です!

今回ご紹介する山口 順平(やまぐち じゅんぺい)さんは、現役の市議会議員という異色のキャリアの持ち主。どんなはたらき方をしているのか、会社員と議員の“二足のわらじ”をどう実現したのか、またどんな相乗効果が生まれているのか、気になることばかりです。山口さんへのインタビューを通じて、謎を紐解いていきます!

※所属部署・役職は2023年11月時点のものです。

出世とは“世に出る”こと。その言葉を体現すべく市議会議員の道へ

―― 山口さんは2002年にインテリジェンス(現、パーソルキャリア)に入社し、2019年にパーソルイノベーションに転籍しました。これまでのキャリアや現在の仕事について教えてください。

私はパーソルキャリア時代、人材派遣の営業やメンバー育成のマネジャーを経験した後、公共事業のプロジェクトマネージャーとして、若者からシニアまで多くの方の就労支援に携わっていました。

パーソルイノベーションに転籍したのは2019年10月。新規事業創出プログラム『Drit(ドリット)』のワークショップ企画や運営に従事し、現在はCare Business Companyで介護領域における課題解決や新規事業開発に取り組んでいます。

2023年10月からは、パーソルイノベーションのほか「ミイダス」や「シェアフル」「ポスタス」各社を統括するパーソルデジタルベンチャーズでの仕事も兼務。人事総務室に所属し、パーソルグループのビジョン『はたらいて、笑おう。』をはじめ、ミッションやバリューを体現する人材をいかにして増やしていくか、その推進役を担っています。

―― パーソルでの2つの役割と並行して、神奈川県茅ケ崎市の市議会議員としても活躍されています。なぜ、議員を目指そうと思ったのですか?

昔、ある大学教授に「40歳になったら出世をしなさい」と言われことがあるんです。ビジネスパーソンにとって出世というと、「会社でポジションを上げること」と考えますよね。でもその方が言っていたのは、出世とは“世に出る”ことであって、40歳になったら世に出なさいということ。また、「はたらく」とはお金を得る手段だけでなく、「傍(はた)を楽(らく)にすること」だとも言っていました。これはWorkとLifeとSocialをまとめた概念で、自分以外の誰かを楽にするということ。出世とは「自分が役に立つ場所があれば、会社の枠に限らずやれることをやる」という意味なのだと捉え直した瞬間でした。

そこで、自分の住んでいる茅ケ崎で何かやれることはないかと考え、地域活動団体を立ち上げたのが8年ほど前。シニア宅の清掃といった御用聞きのほか、多世代協働プロジェクトのリーダーや自治会の理事も務めさせていただき、地域での役割がどんどん広がっていきました。たくさんのつながりが生まれる中で、「住んでいる場所をよりよくしたい。市民24万人の活躍機会を広げたい」という使命感に駆られ、その使命を果たすためにはまちと自分の関わりを深くする手段を得る必要があることに気づいたのです。それが市議会議員の道を志したきっかけです。

―― 議員になるために会社を辞めるという選択もあったと思います。会社員と議員の二足のわらじを選んだのはなぜでしょう?

議員一本で活動するからこそできることは多く、それにより活躍されている先輩方はたくさんいます。しかし私の場合、議員一本に絞ると何が何でも議員にならないといけないという焦りが生まれ、“議員になる”ことに固執してしまうと思ったんです。その状態で選挙に臨むと「私のために投票してください」となってしまい、「地域のためにこうありたい」という想いを純粋に語れなくなってしまう気がしました。

また、パーソルではたらいているからこそわかる市場動向や最先端の取り組みを地域に還元する、逆に地域で得たことをパーソルの事業づくりに還元するというように、双方にメリットを還元する存在として今までにない価値を発揮できるのではないか。そう考え、会社員を続けながら議員を目指すことにしたのです。

誰もが使える「持続可能な仕組み」をつくってくれた会社に感謝

―― 副業や兼業が珍しくないパーソルイノベーションの中でも、市議会議員というのはユニークな兼業だと感じます。「選挙に出る」ことを会社に伝えたときの驚きは大きかったのではないですか?

立候補の意志を固め、会社に伝えたのが昨年の末。私たちは基本的にリモートワークではたらいていて、また年末で上長に直接会えそうになかったので、まずはメールで「議員になりたいのですが、選挙に出てもいいですか?」とお伝えしました。すると返ってきたのは、「了解です!じゃあ人事に確認してみよう!」みたいな感じで非常にあっさり(笑)。人事の担当者にも連絡したところ、「前例がないので確認します」とこれまたあっさりしたものでした。

―― まさか本当に立候補するとは思わなかったのかもしれませんね。そこからはどのように動いていったのですか?

会社側の確認を進める一方で、会社員が選挙に出るのは可能なのか、市役所にも問い合わせをしました。市役所からは「制度的に全く問題ありません」との回答をいただいたのですが、会社が許してくれないケースが多い、会社の制度次第という話も聞き、その内容も添えて人事とのやり取りを進めていきました。

会社の了承を得て立候補したのが4月。市議会議員の選挙運動期間は7日間なので、土日を除く5営業日を公職休暇として認めていただき、その期間は選挙運動に専念させていただきました。また、立候補準備の政治活動期間は、有給休暇を使いながら、たとえば午前中は仕事をして午後からチラシを配るといった形で両立していました。

―― では、会社に当選を報告したときの反応はどんな感じだったのですか?

ちょうど上長が大浦さん(現在はパーソルイノベーション社長)に変わったタイミングで、開口一番「両方続けたい気持ちがあるのであれば、それを続けられる方法を考えようよ」と言っていただき、嬉しさとありがたさでいっぱいだったことをよく覚えています。

そこから前例のない制度づくりが始まったわけですが、私から会社にお願いしたのは、“私だけ”がはたらきやすい制度にするのではなく、誰もが活用できる制度にしてほしいということ。後になって人事の方から、個人の『はたらいて、笑おう。』を実現する多様な選択肢となることを目指し、また今後同じような社員が出てきたときに活用できる持続可能なものにすべく動いてくれたと聞きました。実際に、公職休暇の位置づけだけでなく、人事評価や賞与の在り方なども含めて検討いただき、本当に誰もが使える仕組みになっています。

自分がやりたいことを正直に伝えて、それを実現するためにここまで動いてくれる会社ってなかなかないですよね。会社が起こしてくれた“人事制度イノベーション”のおかげで、私は今、会社員と議員の両立ができているのです。

―― 私たちが大切にしているバリューの一つ、『ふつうを疑う』にも通じるものがありますね

やはり会社員である以上、こうすべきみたいな型があって当然だと思います。しかし、その“ふつう”にとらわれず、本来あるべき多様性や一人ひとりの『はたらいて、笑おう。』を実現させる方法を追求して形にする。パーソルイノベーションにはその文化があるのだと肌で感じています。

兼業で大切なのは「どちらの仕事に対しても言い訳をしない」こと

~議会で発言をする山口さん~

―― では、山口さんのはたらき方について教えてください。議会への出席などがある中、パーソルの仕事と公務をどのように両立しているのですか?

議会が開催される月は、約20営業日あるうちの15日ほど議会に出席する必要があるので、朝早い時間にパーソルの仕事をして、10時から15時までは公務、その後、夜にまたパーソルの仕事をするケースが多いですね。一方議会がない期間は、朝から夕方までパーソルの仕事をすることもあれば、市民の方からの要請を受け、仕事を中抜けすることもあります。たとえば先日は、小学校の放課後の様子を視察に行きました。

これは、パーソルイノベーションやパーソルデジタルベンチャーズが、フレックス制かつリモートワークというはたらき方を導入しているからできること。こうした環境面にもはたらきやすさを感じています。

―― 私も副業をしているので同じ気持ちです!日によってはたらき方にばらつきがあるとのことですが、切り替えの難しさは感じませんか?

当然、「今日はこの時間中抜けしたから、そこは休憩時間扱いにする」というように、時間の管理はきちんとしています。

しかし、たとえば会社の資料をつくり込んでいるときに市民の方から電話がかかってきて、集中力が途切れてしまうこともあるのが正直なところ。特に議員になりたての頃は、市民の方から自分に直接電話がかかってくるなんて全く頭になかったので、本当にしっちゃかめっちゃかな状態でした。

議員になって半年。今は心構えのようなものができ、落ち着いて取り組めるようになりましたが、まだまだ成長が必要。「こっちをやっていたからこっちができませんでした」という甘えは許されません。「どちらの仕事に対しても言い訳をしない」という覚悟を持って、日々の仕事と公務に臨んでいます。

領域は全く違うけど本質は同じ。それを実感する日々

―― 先ほど、会社員と議員の両立によって双方にメリットを還元すると話していましたが、これは企業が副業や兼業を認める理由の一つでもあります。地域で得られた学びをパーソルの仕事に活かすのはこれからだと思いますが、逆にパーソルでの長年の経験が議員の仕事に活きていると感じることは多いのではないでしょうか?

以前、「茅ヶ崎の良いところと課題を教えてください」という街頭インタビューをしたことがあるんです。そのインタビューを思いついてから即行動に移せたのは、パーソルキャリア時代の飛び込み営業の行動力だったり度胸だったり、そういった経験があったからなのかなと思っています。

また、議員の仕事の一つに、行政から上がってくる予算の審議があります。これは「市のお金をこの事業に使いたい」という議案に対し、市民の代表として審議して承認するという仕事。もちろん、「これでいいですか」と言われて「いいですよ」というのは誰にでも言えます。しかし、その事業が本当によいものかどうかは、中身をきちんと理解してからでないと判断できません。

行政側に「これは何の目的でやるのですか?」「これが起こるってことは、この後こういうことは起きないのでしょうか?」など事前にヒアリングをして、さらに議会の中で答弁を繰り返して承認するかを判断する。事業の実施目的や背景を把握しようとするのは、事業づくりと同じですよね。パーソルイノベーションでの事業づくりの経験があったからこそ、比較的スムーズにこの仕事に臨めているのだなと感じています。

―― これまでのキャリアの全てがつながっているのですね。

そうですね。「やっていることは全く違うけど、本質は似ている」。それを実感する毎日で、最近になってようやく「やれる」という手応えも感じ始めました。社会に対して自分なりに価値を提供できているかもしれないと思えることも増え、二足のわらじを選んでよかったなと思うと同時に、改めて会社の柔軟さに感謝しています。

想いを共有して応援する。パーソルイノベーションにはその土壌がある

―― ご自身の課題も成長も実感する毎日を送っている様子が伝わってきました。パーソルの仕事に関しては、どんな課題を感じていますか?

冒頭でお伝えしたように、私はこの10月からパーソルグループのビジョンやそれを成し遂げるためにすべきこと(ミッション)、そのために大切にすべき価値基準(バリュー)を理解し、共感し、体現する人材を増やすという新たな仕事に取り組んでいます。でも当社に限らず、ミッション・ビジョン・バリューって、理解していても“へー”で終わってしまうことが多いですよね。私たちも正直まだまだだと思っていて、「ミッション・ビジョン・バリューの体現者が増えることで新規事業が非連続に成長することにつながる」という場や文化をどう浸透させていくか、その場に所属していることをどうしたら社員が誇りに思えるか、知恵を絞りに絞っているところです。

この仕事でも感じているのが、議員の活動と本質は変わらないということ。たとえば市のビジョンを実現するには、取り組みの意義や達成したときのメリットを、子どもから年配の方まで全ての市民に伝え、それを「皆で推進しよう」となるプロセスをつくる必要があります。

どちらもまだまだこれから。会社員と議員、それぞれの経験で得られた学びを相互に活かすだけでなく、双方の役割の中で少しずつ試しながら、「こっちでうまくいったから、じゃああっちでやってみよう」というように“実験”できるのも、兼業ならではのメリットなのですね。

―― 二足のわらじを実現できた理由や兼業で生まれる相乗効果、そして山口さんの会社に対する想いが本当によく伝わってきました。最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

実は、パーソルグループのメンバー数人から「私も議員になりたい」という相談が寄せられていて、そこからもわかるように、パーソルには「社会をよくしたい」「社会に価値ある何かを残したい」と考えている人が本当にたくさんいます。そして、その想いを共有して、組織の中でもんで、実現に向けて動いていく。パーソルイノベーションにはその土壌があり、それによって一人では浮かばなかった解決策もどんどん生まれています。

もし「よりよい社会をつくりたい」「社会をよくするためにこの課題に取り組みたい」という想いがあるのであれば、ぜひパーソルイノベーションでぶつけてほしいし、一緒にその想いを形にしていけたら、それほど素敵なことはないですね。

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