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『ラクフィス』が提案するノンコア業務からの解放

2020年5月11日にパーソルイノベーションがリリースしたクラウド経営管理BPO(※)サービスの『ラクフィス』。企業における人事労務・財務経理部門などの業務を「まるごと」アウトソーシング可能です。

すでに世の中には同様のサービスがあるのに、なぜクラウド経営管理BPOを提供することにしたのか。『ラクフィス』を起案した野田と島田に話を聞きました。

※BPO=Business Process Outsourcing

▼野田一利
2014年10月に株式会社P&Pホールディングス(現パーソルマーケティング株式会社)に入社。2016年4月より営業戦略本部長として経営企画・営業企画・業務改革・IT等の部門を統括し、種々の施策を推進する。2019年1月より『ラクフィス』サービスオーナーとして、事業の立ち上げをスタートさせている。公認会計士。
▼島田昌和
2017年1月にパーソルテンプスタッフ株式会社に入社。戦略推進部にスペシャリスト職として所属し、グループ会社のガバナンス体制構築等、様々な課題解決業務に携わる。18年12月より『ラクフィス』の企画開発担当として、事業の立ち上げをスタートさせている。

ありそうでなかった?“まるごと”お願いできる経営管理BPO

――まずは、『ラクフィス』を立ち上げようと思った背景について、教えてください。

島田:きっかけは、経営者の知人や友人たちと話す度に会話に登場する、「人事労務や財務経理などの経営管理に時間が取られて、本来取り組みたいことに集中できない」という悩みでした。

起業家たちの頭の中には、世の中に新しく提供したいサービスのアイデアがあるのに、日々の会社運営で精一杯。そんな状態から脱却し、企業が価値を提供することに集中できれば、企業はもちろん、社会全体の成長にも繋がるはず。ところが、そうした利益を生み出す直接的な業務である「コア業務」に集中できていないのが現状です。

もちろん、経営管理サービスはすでに存在しているので、コア業務に集中できる仕組みがないわけではありません。「簡単にまるごと」お願いできる仕組みがないのです。

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――なぜ、簡単にまるごとお願いできる仕組みがないのでしょうか?

野田:そうした仕組みがない背景には、業界の縦割り構造があります。

たとえば、「人事労務だけ」「財務経理だけ」といった、分野ごとに独立したサービスはありますが、各々でできることは異なります。

しかし、会社を設立して人を雇用すると、各クラウドサービスを横断的に使わないと成立しないことが多い。そのため、滞りなく対応するにはユーザー自身でそれぞれを繋ぎ合わせる設定が必要なのです。

今の話を人に置き換えると、次のように業務範囲が決まっています。

・会社設立時の登記手続き……司法書士
・雇用時の社会保険や雇用保険の手続き……社会保険労務士
・給与に対する源泉所得税の手続きや経費確認……税理士

各専門家は、担当分野以外を詳しく教えられるわけではありません。つまり、会社を立ち上げた人は、まず誰に何を聞いたらいいかを知っておく必要があります。既存のクラウドサービスも同様で、どのサービスで何ができるのかを把握しないといけないんですね。

そこで『ラクフィス』は、経営管理に関わる業務を分割提供ではなく、「まるごと」提供することにこだわりました。ユーザーはラクフィスにログインさえすれば、どこに何を頼むのか、どのクラウドサービスを連携させたらいいのか、などの煩わしさから解放されます。

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<ラクフィスの3つの特徴>
1)財務会計や勤怠管理、人事労務、給与計算などは他社システムと連携
2)労務手続きや給与計算、経費精算計上代行などの事務処理は窓口1つで簡単依頼
3)業務プロセスや、法令に沿った標準的なルールを独自設計・提供

島田:ラクフィスは企業の経営管理のあらゆる業務を包括的に担えるサービスを目指しています。

現在(2020年5月15日時点)は人事労務や財務経理のノンコア業務(=利益を直接的に生まない業務)が中心ですが、企業の成長を阻害するノンコア業務をパッケージ化したいので、ゆくゆくは総務や知財法務などの分野も提供予定です。

“オーダーメイドではない”ことが『ラクフィス』の1つの価値

――『ラクフィス』の特徴にある、「社内規定のルールを独自設計・提供」について、詳しく教えてください。 

野田:たとえば、会社が就業規則を作るとします。その際に社会保険労務士に相談するのですが、就業規則の内容には、社会保険労務士の「こうするといいですよ」といった意見が反映されやすい。その上、社会保険労務士によって意見はバラバラのため、その会社独自のルールができあがってしまいます。

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島田:でも、就業規則に会社としての独自性って必要?というのが、私たちの考えで。

というのも、経営管理をアウトソーシングする際に、独自ルールがあるばかりに細かいカスタマイズを求められることもあるんです。

野田:会社として、独自性を出さなくていいところは、どこの会社でも活用できる標準的なルールで簡略化する。それによってユーザーの手間を軽減し、リーズナブルにサービス提供できるメリットの方が大きいと私たちは考えました。

いわば、『ラクフィス』は量産型のスーツ店のような存在ですね。オーダーメイドスーツはその人にとってぴったりだけど、ちょっとお高い。でも既製品のスーツはほとんどの方の体に合いますし、かつ安いですよね。

この標準的な規定ルールの提供は、『ラクフィス』と既存のBPOサービスとの差別化ポイントでもあります。

freee、SmartHR、IEYASU。他社サービスと連携する理由

――こうした仕組みをつくるのに、他社との協業を選んだのはどんな理由からでしょうか?

島田:プロダクトを1から全て作ることも検討したのですが、世の中にあるいいものを使ったほうがいい、と思ったからなんです。

パーソルイノベーションでは、オープンイノベーションを推進しています。私たちのビジョンに賛同してもらえるところと一緒に取り組む方が、パーソルイノベーションらしいし、『ラクフィス』らしさでもあるなと。

<ラクフィスが連携しているサービス>

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・財務経理:クラウド会計ソフトfreee
・給与計算:人事労務freee
・労務手続き:SmartHR
・勤怠管理:IEYASU

そのため、すでにあるクラウドサービスに合わせて、私たちがそれらを連携できるようにしました。

……と、こう話すと簡単に聞こえるかもしれませんが、実はとても大変で(苦笑)。

世の中にBPOのパッケージ化がこれまでなかったのは、各分野を連携できる標準的なルールがなく、またそれらをシステム的にどう繋ぐかを考え、開発するのが大変だからなのです。

――各分野を連携することの大変さ、とは?

野田:財務経理で例を挙げると、会社員が経費でタクシー代を申請するとします。一般的には交通費ですが、もしこれが接待のゴルフに行くためだと、接待交際費として扱われます。しかも、経費をどういった項目で処理するかは、会社や事業モデルごとに異なるんです。

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財務経理にしても人事労務にしても、実は制度の曖昧さが多くあって。こうした曖昧な部分を1つひとつ適切なプロセスに落とし込み、ある程度どの企業にも対応できるようにします。ここが難関ポイントで……。

さまざまな選択肢があるなかから、『ラクフィス』の使いやすさが担保されているか、経営者や働く人にとっても働きやすさに繋がる内容であるかを考え、連携するための標準的な規定ルールを決めていきました。

蓄積データから自社分析も。『ラクフィス』が描く新たな経営管理の形とは

――『ラクフィス』の反響と、今後の展望について教えてください。

島田:既に先行受注が決まっていて、運用を開始しています。市場の反応でいえば、スタートアップや中小企業の経営者からは、「一括でお願いできるサービスはありがたい」「困っている他社を紹介したい」など、ポジティブな評価を得られています。

野田:私たちが目指しているのは、クラウドサービスで、かつ経営管理の機能を会社の中からなくす世界です。

とはいえ、そうした世界をイメージしづらいのも現状です。iPhoneが初めて日本に上陸したとき、「すごい!」との声がある一方で、「ガラケーで困っていないし、買い換えるほど?」といった反応がありました。その後、スマートフォンが私たちの暮らしに与える体験価値が広まることで、今や当たり前の存在になりましたよね。

この状況と似ていて、『ラクフィス』が提供できる価値は、従来の経営管理サービスとは別物であることをまずは知ってもらう必要があります。

島田:営業の場で、お客さまが「『ラクフィス』ならこれもできるね、あれもできるね」と、『ラクフィス』を起点にいろいろと発想を広げてくれることが多いのも、新しい体験価値を提供できる醍醐味かもしれません。

野田:今は、過去の情報をいかにスピーディーに効率良く取りまとめるかが中心です。

将来的には、『ラクフィス』に集まったデータを活用して、自社に今後どれくらいの売り上げが必要かの予測や、他社との比較に基づいた客観的な経営状態の把握などができるようにすることも目指しています。

――最後に、これからの『ラクフィス』で、どんな人が活躍できるかを教えてください。

野田:分からないことを自分で調べて考えて、いろんな人に相談して、ディスカッションすることを楽しめる人ですね。

先ほどお話ししたように、標準的なルールを作るにしても、何が正解かは、誰にも答えは分かりません。そのなかで、分からないこと自体を受け入れて、「仮説としてこうだから、これで進めてみよう!」と決めて取り組むしかない。

一度決めたことにこだわり続けるよりも、仮の答えをどんどん出して進めるスピード感に抵抗感のない人が、存分に力を発揮できる場だと思います。そうした人と一緒に、新しい経営管理の形をつくりあげていきたいですね。

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