DXで重要な顧客理解にはデザイン思考のフレームワークが役に立つという話~いま改めて問う、DXとは何かについてより深く突っ込んだ話【中編】~
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DXで重要な顧客理解にはデザイン思考のフレームワークが役に立つという話~いま改めて問う、DXとは何かについてより深く突っ込んだ話【中編】~

こんにちは。パーソルイノベーション・デジタルマーケティング部の木村です。先日アップした「【保存版】いま改めて問う、DXとは何かについてより深く突っ込んだ話【前編】」はもうお読みいただけましたでしょうか?記事を公開した初日から多くの方に読まれているようでありがたい限りです。

顧客を知ることが第一歩

上記記事の中で、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるうえでは、(個人的には)「Customer Focus(ユーザーフォーカス)」が最も重要なポイントといえる、と書いていました。

なぜなら、そもそもDXとは

企業がビジネス環境の激しい変化に対応しデータとデジタル技術を活用して
顧客や社会のニーズを基に、製品やサービスビジネスモデルを変革 するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し競争上の優位性を確立すること
(出典:経産省 商務情報政策局 成田審議官 南山大学 青山教授)

というものであり、顧客を理解し、顧客の要望やニーズを深く理解することが第一歩になるからです。

では、顧客をより深く理解するためにはどうすればよいでしょうか。ここで、「デザイン思考」のフレームワークが役に立ちます。

デザイン思考とは

デザイン思考とは、デザインしたサービスやプロダクトの先にあるユーザーを理解し、仮説を立て、初期の段階では明らかにならなかった第二の戦略や代替する解決策を特定するために問題を再定義する、一連の問題解決の考え方のことです。

「ユーザーも気づかない本質的なニーズを見つけ、変革させるイノベーション思考」のこととも言えます。「デザイン制作における思考方法を用い、それをビジネスや経営に活かしていくアプローチ」です。 実際に、デザイン思考は事例として、P&GやGoogleといった外資系企業やYahoo Japanといった日本企業などでも導入が始まっています。

「ユーザーも気づかない本質的なニーズ」と書きましたが、顧客のニーズは顧客にそのまま聞いても出てこないことが多いです。よく引き合いに出される例として、ヘンリー・フォード氏の言葉が挙げられるでしょう

“If I had asked people what they wanted, they would have said faster horses.”
(もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、
   彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう。と)

交通手段が馬車だった時代、自動車を知らない人々は、「自動車をつくってくれ」とは言いません。だから、「もっと速い馬」としか答えられないのです。顧客の本質的なニーズは「速く移動すること」です(あるいは風を切る疾走感かも知れません)。

世界的に有名なデザインファームであるIDEOの創始者、ティム・ブラウンは、デザイン思考では革新的な課題の解決策にたどり着くために、デザイナーが使うさまざまなツールを活用すると述べています。
(参考:IDEOU, Design Thinking: A Method for Creative Problem Solving)

デザイン思考の5段階

ハーバード大学デザイン研究所(通称d.school)のハッソ・プラットナー教授が提唱する、『デザイン思考の5段階』という思考モデルを紹介していきます。d.schoolでは、実際にデザイン思考を授業でも取り入れており、非常に説得力があります。その「5段階」とは、次の5つです。

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1. Empathize:ユーザーが何を求め考えているか観察・共感し、ニーズを探る
2. Define:調べたことをまとめ、ユーザーの真のニーズを洗い出し、問題を定義する
3. Ideate:定義された問題に対し自由に意見を交換して、具体的にどうアプローチするか考える
4. Prototype:試作品を作ってアイデアを具現化し、機能性・効果・実現性について検討する
5. Test:ユーザーに実際に使ってみてもらい検証し、改善点を探って最終的な解決策を目指す

お気づきの通り、デザイン思考のプロセスはシステムリーンスタートアップやアジャイル開発と通じるところがあります。プロトタイプを何度も何度も開発チームやクライアントともに創り続けるのが大事です。

アイディア

デザイン思考で使えるフレームワーク

では次に、デザイン思考を用いて事業を構築するうえで役立つフレームワークをご紹介します。フレームワークを用いて可視化することでチーム内に共有しやすくなるのがメリットです。またアウトプットして可視化することでプロジェクトの方向性を把握しやすくなります。

1.ジョブマップ
ジョブ理論を用いて、顧客の願望や困っていることを導き出し、顧客が満足してまた使ってくれるためのプロセスを可視化してくれるツールです。インサイトやニーズを可視化するのに役立ちます。
2.共感マップ(エンパシーマップ)
顧客が何を聞いて、何を見て、どのようなことを考え、どんな行動に移すのかを可視化してくれるフレームワークです。
3.ビジネスモデルキャンバス
顧客のセグメントや提供する価値などを9つの項目で可視化できるフレームワークです。チャネルやコスト、リソースなど、ビジネスや商材全体の方向性を簡潔にまとめられます。
4.MVPキャンバス
MVPとは必要最小限の価値だけを搭載した商材です。最初から本格的な機能を搭載したサービスやプロダクトをつくってしまうのはリスキーです。無駄なコストをカットするためにも、最初はMVPキャンバスを用いて必要最小限の機能だけを搭載して商材をつくりましょう。
5.事業環境マップ
自身の商材を取り巻く外部環境を具体的にまとめられます。市場と産業、トレンド、マクロ経済の4つの状況の変化をフレームワーク上でまとめられますので、リリースしたあとの環境の変化も分析できます。
出典:https://media.bizmake.jp/method/about-designthinking/#i-10

顧客理解には共感マップ(エンパシーマップ)が役に立つ

冒頭で、顧客を理解し、顧客の要望やニーズを深く理解することが何よりも大事であると述べました。デザイン思考のプロセスも、最初にユーザーが何を求め考えているか観察・共感し(なりきり)、ニーズを探ることから始まります。そのためには、共感マップ(エンパシーマップ)が役に立ちます。

ペルソナフォーマット0514

顧客が実生活の中で(対象商品・サービスに対して)何を感じ、何を考えているのか、以下の問いで明らかにします。

・聞いていること
・考えていること
・感じていること
・言っていること
・やっていること
・苦痛=感じているリスクやストレス(ペインポイントなどと呼ばれます)
・獲得=望んでいること

このペルソナ共感マップは、書くことが目的ではありません。現状の課題をユーザの声で可視化し、「何が本当の課題なのか?」を明確にすることが目的です。その結果、「苦痛」「獲得」の欄に抽出されるものに価値があります。

共感マップ(エンパシーマップ)の書き方にはポイントがあります。

・ユーザーが複数タイプいる場合は、ユーザー毎にペルソナを作成する。
・ユーザーの声をサマリにせず(意訳せず)、細かなニュアンスまでをありのまま書く(「ユーザーがどういう意図でその発言をしたのか?」を解釈できるようにするため)。
・たとえば「時間がかかる」などユーザの感覚に基づくものは「どれくらい時間がかかっているのか」などと定量化する。
※ 後続であるべき状態を考えるときに、「何分以内に完了する」など目標を立てやすくするため。
・優先順位は、開発からの観点(実装が難しい、開発工数がかかるなど)は考慮せず、あくまで、「ユーザー満足度への影響」というユーザー視点で順位をつける。

実例は【後編へ】

ここまでお読みいただいた方には、デザイン思考(ペルソナ共感マップのフレームワーク)を実際に用いた実例が知りたいとお思いのことと思います。

今記事シリーズの【後編】では、実際に上記でも紹介した「共感マップ」や「カスタマージャーニーマップ」、「ユーザーストーリーボード」等のフレームワークを活用して企画を進めた実例をご紹介します。お楽しみに!

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(弊社パーソルグループでのZoomミーティングより)

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