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会社員と経営者の二足のわらじ。複業がもたらした"はたらく選択"と"仕事観"の変化とは

はたらき方が多様になった昨今、パーソルグループでは2019年から複業制度を導入しています。目的は社員の自己実現、そして複業と本業のそれぞれで得た知見やスキルを循環させることです。2023年4月現在、パーソルイノベーションでの複業人材は年々増えています。

こんにちは!パーソルイノベーション ビジネス推進部 採用室の小林 日奈子です!

Drit推進室(※)のメンターとして新規事業の立ち上げを支援している中尾 裕樹(なかお ゆうき)さんは2022年、パーソルイノベーションに所属したまま自身で会社を設立しました。

なぜパーソルイノベーションに軸足を置きながら、会社設立に至ったのか。企業の代表としての経験をどのような形でパーソルイノベーションに還元しているのか。
パーソルグループの社員として在籍しながら、経営者としての顔を持つ中尾さんに、その真意を尋ねました。

中尾 裕樹
2009年、大手電機メーカーのグループ会社へ入社し、放送局部門・自動車部門の新規事業部に配属。2013年、合併によりパーソルグループに移籍。2019年、キャリアチャレンジ制度を利用してパーソルホールディングスへ。パーソルイノベーションへの出向を経て、同社に移籍。現在はDrit推進室でメンターを務めながら、2022年に設立したMobility Duck合同会社のCPO/CTOも務めている。

※所属部署・役職は2023年4月時点のものです。

Drit推進室
「Drit」は、パーソルイノベーションの新規事業創出プログラムで、社員自らが起案し、実際に事業化させることができるプログラム。パーソルグループが持つ豊富なノウハウを活かしたビジネス実装・マーケティング支援、プロダクト開発を加速させるスタートアップ支援など事業立ち上げフェーズの全面バックアップを受けることができる。『Drit推進室』ではプログラムの運営のほか、メンターとして事業創造のサポートを行なっている。

モノづくりが好きだからこそ、メーカーを離れる決断へ

ーー中尾さんはこれまでどのような経歴を歩んできたのでしょうか?

新卒で大手電機メーカーのグループ会社にエンジニアとして入社したのですが、4年後にパーソルグループの子会社と合併したことでパーソルグループの所属になりました。

新卒から6年間は放送局業界で新規事業のプログラマー、開発リーダーとしてエンジ二ア、4年間を自動車業界で国内外の新規事業のSE、PM、事業企画として活動してきました。いわゆるモノづくりメーカー出身のエンジニアです。

モノづくり業界にいたときから「”モノ”から”コト”をつくる」ことに関わっていましたが、コトづくりを経験すればするほど、本気で向き合わないとモノの魅力を最大化するコトづくりはできないと思う毎日でした。
その思いがきっかけでコトづくりでの新規事業開発を経験したいと決意しパーソルグループの新規事業部門への異動を希望しました。

「パーソルというグループで、人に寄り添うコトづくりが経験できれば、モノからコトづくりももっと面白いものができそうだな」とワクワクしながら期待を抱いていたのを覚えています。

ーーそうだったのですね。パーソルイノベーションでは、どのような仕事をしてきたのでしょうか。

最初は、前職でもやっていたようなオープンイノベーションに携わっていました。1年後に現在のDrit推進室に異動し、インキュベーション推進をしています。

具体的には、新規事業のアイデアを集い、アイデアを持っている人をサポートしながら、実際に事業検証や事業立ち上げの支援をしています。

その際に意識しているのが、良くも悪くも支援者であるという立場をキープし続け、入り込みすぎないこと。事業を作り上げるのはボクではなくてオーナーです。オーナーが自立して事業推進できるように支援することがボクの役割。

事業は立ち上げて終わりではありません。持続と成長のバランスがとても大切で、かつ非常に困難なことです。立ち上げた新規事業に関わってくださる全ての関係者に感謝しながら事業を続けられるように可能な限りサポートしています。

困難に立ち向かっている現場やオーナーたちを支援しながら、また自身も当事者の意識をもって一緒に事業を創っているというスタンスで。ボクが支援にかかわることで少しでも事業が前に進み成長すればと思っています。

自身の経験を糧に、好きなことで新たなチャレンジを

ーー中尾さんは2022年に、前職で携わっていた自動車関連の会社を立ち上げました。なぜこの挑戦をしようと思ったのでしょうか?

モノづくり・コトづくり両者の新規事業企画と開発に長年関わってきたからこそ、自分が本当に好きなモノづくりで新たな価値と新しい選択を生み出せると思ったからです。ただモノを作ることだけではなく、そのモノをどう世に広げていくのか?の知識を得た今だからこそ挑戦をしたいと考えました。

共同代表をやっているパートナーは、元レーサーなんです。そんな彼と、メーカー出身で人材業界にいるボクがタッグを組んで新たな挑戦をすればおもしろいことができるのではないかと思って、会社を作ることにしました。

共同代表は、”「技術」は「人」なり。1人1人が輝ける社会の実現を”。
ボクは、”「モノ」から生み出す「コト」と「トキ」。自由で新しい選択の実現を”。
2人の想いを一つにして共に事業成長にむけて前進しています。

ーーパーソルイノベーションに所属したまま起業したのはなぜですか?

「会社や組織の想いに応えられる人材でありたい」という気持ちをまだまだ持ち続けたいと思っているからです。それは相手のニーズを考え、期待に応えるパフォーマンスをしようとするということです。
会社に所属をしている【社員】としての意識は会社経営をするときに役立つと思いましたし、逆に自身が代表として経営をすることで学んだことを活かせばグループにとって双方の視点を兼ね備えた人材として居続けられると考えました。

そのためパーソルイノベーションを離れて手放しで自分の好きなことをやるのではなく、会社員という一つの縛りがありながら、好きなことに挑戦をする選択肢を選んだのです。

上司はボクの身体的・心理的負担を心配してくれましたが、同時に応援もしてくれて。「本人にとっても、会社にとってもメリットしかない」と言ってくれたことが印象的です。

背中を押してもらうことで、さらに自身の中で【起業すること】が会社を【辞める理由】にはならなくなりました。この機会を大切にしたい!と強く思いましたね。

経営を経験して得たのは、新たな視点と伝達力

ーー自分の会社を持つことで、何か変わりましたか?

大きく2つ変わりました。

一つ目は、一社員としての意識。これまで経営視点というよりは事業視点、責任者というよりは現場、というスタンスで事業創りのプロ意識を持っていました。

そのため、なぜ上の人たちが今意思決定をしないのか、なぜこれを伝えてくるのかなどに対して「何となく」の範疇を超えた理解ができていなかったと気がついたんです。

それが起業を経験したことによって会社経営への解像度が上がり、経営層の目線や発言の意図が少しずつ気づけるようになりました。その結果、会社の期待されていることや組織が期待していることが気づきやすくなり、社員としての行動力も上がったと思います。

二つ目がメンターや事業アドバイザーとしての発言や目線。相手に対して良いかどうかではなく、自分事に仮定した上でのアドバイスや発言をするようになり、真意が相手に伝わるようになってきました。

ボク自身が起業するかどうかを迷っていた時に、同じ起業経験をした先輩方が、自分事にしてメッセージを送ってくださったのです。そういった自分の経験も踏まえて自らパーソルの新規事業に向き合う皆さんとのコミュニケーションを工夫した結果、伝わることが伝わるようにもなってきましたのかもしれません。

会社の代表として自分の想いを自分自身で事業にしていくボクは、パーソルグループにとって良い意味で社内の人でもあり、社外の人でもあります。両面の視点から見れるからこそ伝えられるメッセージもあり、議論の活性化を生み出すきっかけを作り出せることもあるはず。

その気づきのおかげで新しいアイデアが生まれたり、ボクのアドバイスにより一歩前進したりする状況が作れるよう、自分自身どんどん成長していきたいですね。

そうして個人と会社の間で、相乗効果を生み続けたいと思っています。

自分のはたらき方が、誰かの気づきになったら嬉しい

ーー最後に、今後の展望を教えてください!

ボクはこれまで沢山の人の刺激を受け、自分自身に気づきを得てきました。だから、これからはボクがグループビジョンである「はたらいて、笑おう。」の体現者として、パーソルグループのメンバーの刺激となれたらいいなと思っています。

ボクにとっては今の二足のわらじでのはたらき方が、はたらいて笑う道になっています。ボクの「やりたい」と「成長の可能性」を応援してくれるパーソルグループには本当に感謝しています。

会社員でありながらも、起業して自分がやりたいこともする。贅沢なはたらき方をしているともおもいます。

今後はこれまで以上に、正直に、そしてわがままに自分の考えを具現化していきたいです。そしてボクが周りに刺激をもらってきたように、このはたらき方が誰かの刺激になったら嬉しいですね。

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