【セミナーレポート】アフターコロナのジョブ型雇用 外部人材活用によるプロジェクト成功の秘訣とは?
パーソルイノベーション・デジタルマーケティング部の福井です。最近、副業を認める企業が増えてきていますが、それでもまだ副業をしたい人に対して、副業を受け入れる企業は少ないのが現状です。
こうした中でコロナによりリモートワークが推奨されるようになっています。リモートワークは会社に来ないで行うわけですから、副業人材が仕事をしやすい状況になっています。そのためこのコロナを機に、副業人材を活用するのも、企業としてはひとつの方法でしょう。
しかし副業人材を活用しようとしても、どのように活用したらよいのかわからない企業も多いのではないでしょうか。そこでこのセミナーでは、 現在の副業の実態だけでなく、副業人材をうまく活用してどうプロジェクトに取り組めばよいか、その取り組み方も紹介します。
今回のセミナーはパーソルイノベーション株式会社 lotsful代表の田中みどり氏が行ないました。
セミナー内容
①なぜ副業・ジョブ型雇用が注目されているのか
②副業の実態
③企業にとって副業解禁・副業受け入れは、今後どう影響を与えるか?
④副業人材を活用したプロジェクトの取り組み方
なぜ副業・ジョブ型雇用が注目されているのか
そもそも副業とは、一般的に収入を得るために携わる本業以外の仕事とされます。lotsfulでは「副業」という言葉を、単にお金を得るための手段としてだけではなく、本業だけでは得られない自身の成長につながる挑戦として捉えています。
・副業を取り巻く環境
副業を取り巻く環境としては、生産年齢人口の減少により人手不足が起こっていることで、副業人材を活用しようという動きが出てきています。
また商品のライフサイクルも短くなっており、市場の変化は加速しています。変化が加速しているのは市場だけではありません。職業寿命が長期化しています。2050年には100歳以上の高齢者が50万人を超えていきます。そのため70歳を超えてまで働ける環境を整えるように政府もしているのでしょう。
一方で倒産企業の平均寿命は、1970年代は企業の平均寿命は40歳ぐらいでしたが、 今は25歳くらいです。そのため一社で勤めあげることは難しいと考えられます。そこで「個人でキャリア形成を考える必要」(田中氏)があるのです。
こうした課題を解決するために出てきたのが働き方改革です。 柔軟な働き方の中で、副業や兼業の推進に向けたガイドラインが策定されています。モデル就業規則も改定され、 副業・兼業の動きも加速しました。このように副業や兼業を後押しする環境の変化が起こっているのです。
・企業の変化
企業ではテレワークの導入は進んでいますが、中小企業では遅れています。それでも「2018年には全体で19%くらい」(田中氏)まで上がっています。さらにコロナ禍でテレワーク導入は進んでおり、 大手では約6割が導入しています。
フレックスタイム制に関しては、大企業の採用比率は高くなっていますが、割合としては下がっています。その理由を田中氏は「顧客先や部署間での連携が難しかったり、導入はされているが運用はうまくされていないという場合もある」と述べています。
こうした状況の中で職務を明確にして採用する「ジョブ型」に切り替える企業が増加しています。「ジョブ型」であればテレワークでも管理しやすく、専門職人材を採用しやすいというメリットがあります。「距離が離れていると、今までのメンバーシップ型の働き方では、管理が難しい」という状況です。
一方「ジョブ型は自分のする仕事が明確化しているので、管理がしやすい」わけです。そのため大手企業でもジョブ型雇用の導入が進んでいます。
今までのように「人に仕事をつけるのではなく、仕事に人をつける形に変わっていき、仕事の成果を最大化する方向になる」(田中氏)でしょう。そのため「専門職人材の採用が進むので、社員にこだわらない副業をはじめとする外部人材の雇用が進む」(田中氏)と言われています。
企業の副業の実態としては、副業を全面的に容認している企業は13.9%で、条件付きで容認している企業も合わせると、 容認企業は約5割になります。
業種別にみると、 IT や宿泊業、2割弱が全面的に容認しています。反対に運輸業や小売業では少ないです。
企業規模別にみると、大企業でやや全面的に禁止している企業が多くなっています。企業の半数がここ3年以内に副業解禁しており、今回のコロナでさらに進んでいると考えられます。
副業を容認することでどのような効果があるかというと、優秀な人材の確保や定着、社員のモチベーション向上などにつながるという結果です。 副業解禁というと他の会社に行ってしまうことを心配される企業もあります。これに対して田中氏は以下のように説明しています。
「もちろん他の企業に行ってしまうこともあるかもしれません。しかし、副業を解禁しなければ自社に残るかと言えばわからず、現状のように働き方や個人の選択肢が多様化すれば、そうした人材は副業を禁止していたとしてもいずれいなくなる可能性はあると思います。」
実際に副業をしたいという方とインタビューをしていますが、「自分の仕事や会社に満足していますが、いつまで自分のスキルが通用するのか不安」(田中氏)という声が一番多いです。そこで副業をして自分のできることを増やしていきたいという方が副業を希望しています。
副業をしてみて実際に自分のやりたいことが分かった、今の仕事に生かせることが増えたという人もいます。
・個人の変化
現在副業をしている人は約3割いて、約70%の人が副業に興味を示しています。副業をやりたい動機としては収入補填と自己実現・スキルアップ・活躍の場の拡大が多くなっています。
副業をやりたいのにできない人の理由として、副業や起業についてよく分からなかったり、探し方を知らなかったりする人が多いです。「案件を探せるプラットフォームはあるが、時間を単に切り売りするのではなく、自分のスキルアップにつながる案件は少ない」(田中氏)という声が多いのが現状です。
また上記のように大手企業でも副業人材を募集したところ、多くの応募者があったと聞いています。ヤフーでは5日で3000人、全体で4500人の応募がありました。最年少は10歳だったそうです。70代も3人ぐらいいたとのことです。
副業の実態
「成長できる副業サイクルを作るためには、副業者を受け入れる企業が増やすこと」だと考えられます。そのため企業としては、「変化に耐えられるように個人が自立して働けるようにならなければなりません。先が見えない中で、必要な人材を採用する必要がある。副業人材の活用は有効になる」(田中氏)と言えます。
企業にとって副業解禁・副業受け入れは、今後どう影響を与えるか?
では副業解禁や副業受け入れは、今後、どう影響をあたえるでしょうか。採用活動、エンゲージメント、イノベーションという3つの視点から説明します。
・採用活動
副業を受け入れることで、今まで獲得できなかった優秀な人材を獲得できます。副業は意思決定のハードルが低く、フルタイムほどの人件費がかかりません。 また採用活動を行うと、入社まで時間がかかりますが、副業人材であればすぐにジョインできます。
またミスマッチの低下にもつながります。とくに現在、対面での採用面接ができないので、採用の判断が難しい状況です。そのため今後は面接で判断するのではなく、「まずははじめてみる」というようなお試し入社のような形も取れます。こちらは新しい採用の手段になってくる可能性もあります。
・エンゲージメント
副業を認めることで社員のスキルや人脈が広がり、結果としてモチベーションが向上します。また優秀な外部人材と関わることで、自社のメンバーのマインドが向上する可能性もあります。 現職は気に入っているが、さらにプラスした収入を得られるのです。経験も得られます。
限られた時間でアウトプットをできる人が採用され、生産性を意識した働き方の習得にもつながります。そのため結果として企業の生産性向上につながるでしょう。
・イノベーション
副業を受けることで、社外の知見を得られ、今まで自社ではできなかったような発想でアプローチを獲得できます。また一からはじめるよりも、社外で確立された経験や知見をもつ人材を受け入れた方が、新規事業のスピードは速くなります。
組織としてもそうした人材を受け入れることで、事業開発力を高められるでしょう。
副業人材を活用したプロジェクトの取り組み方
副業人材を活用したプロジェクトを成功に導くためには、業務の切り出しを行わなければなりません。具体的な方法としては以下のようになります。
1.自社ニーズの洗い出し
2.可能な限りの権限付与・情報開始
3. it ツールを活用し、リモートコミュニケーションを促進する
4.ゴールイメージを共有し、マイルストーンを設定。進捗確認の仕組みを作る
ここではそれぞれ詳しく見ていきます。
1.自社ニーズの洗い出し
なんとなく優秀だから取ってみようというのはうまくいかないので、具体的にどのような業務をお願いし、そのために必要なスキルは何かを明確にする必要があります。
今日は企業のステージごとの副業採用におけるニーズです。採用となると時間がかかってしまうので、副業ならすぐに対応できるのがメリットです。
相性がよい業務としては、リモート実施ができて、時間の制限が少なくフレキシブルなものになります。上記の表の課題やニーズも参考に業務の洗い出しを行うのがよいでしょう。
どのような業務を頼みたいかが固まれば、次にそのために必要なスキルを考えます。たとえば営業職といっても、個人相手なのか法人相手なのかで違いますよね。
また商材の種類とか、アプローチ方法など足りないピースを明らかにしていく作業が必要です。その業務を実際にお願いしたい人のスキルと照らし合わせて採用していく形になります。
そうするとズレがなくなると思います。「よくありがちなのが、なんとなくすごい企業の人にイメージでお願いしてしまうケースです。その場合はなかなかうまくいきません。」と田中氏は述べています。
現在のコロナの状況でニーズが拡大しているのは、 Web マーケティング、広報、営業の分野です。こちらは売上につながるリード獲得が目的になっています。 また大手企業とのアライアンスや事業開発の案件も増えています。大手企業にいる方が副業で活躍できるチャンスですね。
2.可能な限りの権限付与・情報開始
契約をしっかりと結び可能な限りアクセス権限を付与や情報開示を行います。副業は時間の限りがあるので、力を発揮してもらうためには情報開示が不可欠です。また自社の情報をしっかりと伝えることで、外部の人ではなく、チームとして働いてもらえます。そうした仕組みは副業者のモチベーションにも繋がります。
3. ITツールを活用し、リモートコミュニケーションを促進する
リモートでコミュニケーションが円滑に取れるたいせいやルール作りが必要です。Teamsやslackなどを利用すると便利です。全体の動きがわかるような it ツールを活用しましょう。また副業の受け入れにおいてはプロジェクトマネージャー(PM)の存在も非常に重要です。窓口が複数になってしまうよりも、窓口が一人の方が情報を集約するのに効果的です。
4.ゴールイメージを共有し、マイルストーンを設定。進捗確認の仕組みを作る
契約は最初、短期で業務内容を明確にしておきます。そして細くチューニングしていく必要があるでしょう。プロジェクトが始まったら必ず関係者でキックオフをします。
副業の人はいつも一緒にいられないので、進捗管理や今週の動きの共有をした方がよいでしょう。初回はミーティングの頻度を増やしてズレをなくすことも大切です。口頭だけでなくテキストベースで意見を持ち寄るのも重要です。アウトプットが残る形で資料化しましょう。
意外とやってしまいがちなのが遠慮してしまうことです。本音でできる・できないを明確にしていった方がよいでしょう。限られた期間で力を発揮してもらうには、環境作りは非常に重要です。
まとめ
ここまでセミナーの内容をお伝えしてきました。現在は副業人材を活用するチャンスです。しかし副業人材を探すにしても、どのように探して良いのかわからない企業も多いでしょう。その場合、副業人材紹介サービスに登録することをオススメします。
副業人材紹介サイトのひとつがlotsful(ロッツフル )です。
lotsfulは、「採用/転職」では出会えないスキルを持つ人材と、ベンチャー/スタートアップをはじめとするビジョン実現に邁進する企業を「副業」でつなぎ、事業・組織開発の課題をスピーディに成功まで導く新たなエージェントサービスです。
いかがでしたか?パーソルイノベーションでは今後もこのような情報提供を行っていきます。
lotsfulについて<https://lotsful.jp/brand/lp>
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「PERSOL(パーソル)」について <https://www.persol-group.co.jp/>
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様なサービスを展開しています。
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