飲食店のランニングコスト管理は大丈夫?売上だけでなく損益分岐点を把握して利益率を高める秘策を伝授
パーソルイノベーション・デジタルマーケティング部の福井です。飲食店で利益を出すためには、売上を上げることも大変重要ですが、ランニングコストを抑える必要もあります。
とくに今のようにコロナだと、客単価を上げたり、客席を増設し客数を増やしたりして、売上を伸ばすのはなかなか難しいからです。今は回転率が悪く、回転数も上がっていないでしょう。
そのためランニングコストをしっかり管理することで、売上が伸びなくても、利益を上げる方法を考えるべきです。そのためにはランニングコストとは何か、もう一度見直してみる必要があります。
また損益分岐点を計算することも必要です。損益分岐点を理解していなければ、どれくらいの売上を上げれば赤字にならないのかわからないからです。そこでこの記事では、飲食店のランニングコストについての説明と、損益分岐点の計算方法について説明します。
飲食店のランニングコストとは?
飲食店におけるランニングコスト(運転資金)は、飲食店を運営する際にかかる費用のことです。飲食店を続けるためには、物件を借りなければいけませんよね。そこでまず家賃がかかりますよね。
また食材を扱うわけですから、原価には原材料費もかかります。他にも人件費も必要でしょう。こうしたランニングコストを明確にしておかないと、売上は上がっているのに利益が出ないという状態になるのです。
そのため飲食店においては、ランニングコストをしっかりと把握しておく必要があります。
飲食店でもよく聞くイニシャルコストとランニングコストの違いとは
ランニングコストと並んでイニシャルコストもかかります。イニシャルコストとは、開業のときにかかる初期費用を意味します。イニシャルというのは「はじめの」という意味があるので、最初にかかる費用という意味です。
たとえば飲食店をはじめるためには、調理器具やテーブルなどの家具も必要ですよね。そうした費用はイニシャルコストとしてかかります。また物件取得費もイニシャルコストになるでしょう。
つまりイニシャルコストは最初にかかる費用で、その後に飲食店を運営していく際にかかる費用がランニングコストです。これら2つを合わせてトータルコストと呼ばれます。
イニシャルコストがあまりにも大きくなってしまうと、ランニングコストを抑えて、売上を伸ばしていても、なかなかイニシャルコストを回収できないことも出てきます。そうするとイニシャルコストが経営を圧迫する結果になるでしょう。
また開店する前に開業資金がなくなるということも考えられます。そのためイニシャルコストはなるべく抑えるべきだというのが一般的です。
飲食店におけるイニシャルコストの種類
ではイニシャルコストにはどのようなものがあるでしょうか。ここではイニシャルコストとして代表的なものを3つ紹介します。
・物件取得費
飲食店をはじめるためには、物件を契約しなければなりません。そのためには敷金・礼金や仲介手数料がかかります。敷金は原状回復費用として使われ、契約が終了した後に残った金額が返還されます。礼金に関しては敷金と違い戻ってくることはありません。
仲介手数料は不動産屋に支払うお金なので、賃料に合わせて支払うことになります。一般的には1ヵ月分の支払いとなります。また家賃を前払いする必要がある物件もあるので注意しましょう。
このように物件を取得するだけで、イニシャルコストもランニングコストもかかりますので、物件取得には慎重になる必要があるでしょう。
・改装費用
物件を取得した際に、内装や外装を構築する費用もかかります。せっかく飲食店をはじめるのだから、内装や外装を個性的にしたいという方も多いでしょう。しかしここであまりにも費用をかけてしまっては、今後の経営が苦しくなります。
そのため資金を抑えるためにも居抜き物件の活用が増えてきています。テナントによっては、前の設備をそのまま使うことも可能です。そうすることでイニシャルコストをかなり抑えられるでしょう。
・厨房器具や備品
飲食店をはじめるにはテーブルや椅子、レジや冷蔵庫も必要です。また厨房器具や食器も必要になってくるでしょう。他にも料理のための厨房器具が必要です。こうした飲食店に必要な厨房器具や備品をそろえる費用もイニシャルコストです。
調理器具や備品に関してはお金をかけようと思えばいくらでもかけられます。そのため予算をしっかりと決めてから、購入をするようにしましょう。
飲食店におけるランニングコストの種類
前述したように、店舗を運営するためにはランニングコストがかかります。ここではランニングコストとして代表的なものを7つ紹介します。
・原材料費
飲食店で欠かせないのは原材料費です。つまり食材費です。食材費は必要なコストですよね。あまりにも原材料費を抑えすぎると、味が落ちてしまいます。店舗に合った原材料費を設定しましょう。
・家賃
飲食店では家賃がかかるのは一般的です。家賃は必ず支払わなければいけないコストになりますから、なるべく抑えた方がよいでしょう。一般的には売上の10%以下に抑えるのが理想です。
・人件費
人件費とはスタッフに支払う給与や、交通費等です。福利厚生費も含まれます。スタッフが増えれば増えるほど人件費は増えていきます。そのため人件費を抑えるためにも、適切な人数で店舗運営をしていく必要があるでしょう。
・水道光熱費
水道光熱費は電気やガス、水道代のことです。これらは店舗運営を工夫することで、抑えられます。電気をムダにつけたり、水道は蛇口をこまめに占めるなどしたりすれば節約できます。そのため従業員一人ひとりの意識がとても大切です。
・広告宣伝費
広告宣伝費は、チラシやウェブ、グルメサイト等でお客様を呼び込むための費用です。広告宣伝費の場合、費用はかなりかかってもその効果が薄いこともあります。そのため広告宣伝を行うためには、費用対効果がどれくらいなのかというのを必ず確認しなければいけません。
現在行っている広告宣伝の中で、効果がないものはやめ、効果があるというものに集中していくのがオススメです。最近では無料で使えるSNSもありますので、有効に活用することで広告宣伝費を抑えることもできます。またチラシは自分で作ることで費用を抑えられます。
・消耗品費
消耗品費とは文具代やキッチン用品、さらには掃除用品などのコストです。こちらもむだづかいをやめることで抑えられます。従業員全員で節約意識を共有するようにしましょう。
・通信費
電話代やネット代など通信費もかかります。こちらはなるべく安いプランを選んで契約するようにしましょう。
飲食店のランニングコストから損益分岐点を算出する方法
コストが算出できたら、損益分岐点を計算してみましょう。損益分岐点とは利益がゼロになる売上のことであり、損益分岐点を超えることで利益が出てきます。こ損益分岐点ですが、以下のように計算します。
損益分岐点=固定費÷(1-変動費率)
変動費率とは「変動費÷売上」で計算できます。固定費とは売上が変化しても変わらない経費のことです。一方変動費は売上に応じて変わる経費になります。
たとえば固定費200万円で変動費率が20%の場合、損益分岐点売上高は250万円になります。つまり250万円以上の売上を上げなければ、赤字になるというわけです。
このように損益分岐点を試算することで、売上がどれくらい必要なのか、その目安が求められるのです。これらの数値を踏まえて売上目標を立てなければなりません。現在の各店舗の損益分岐点をもう一度確認してみましょう。
データ管理をして飲食店のランニングコストを下げよう!
利益率とは利益を売上で割って100をかけたものです。この利益率を上げるためには、ランニングコストを下げる必要があります。たとえば原材料費であれば、安く仕入れることも大切ですが、それで味が落ちてしまっては問題です。
そのため食品ロスをなくすのが大切です。つまり廃棄される食材を減らすことが必要になります。そこで需要予測が必要です。事前にある程度お客様の状況がわかれば、食材を仕入れる量が調整できるでしょう。
需要予測をするためには、データをしっかりととっておく必要があります。天気や季節によってどれくらいお客様の入りが変わるのか分かれば、ある程度予測ができます。
お客様の数を予測できれば、人件費も削減することも可能です。お客様が多い時にスタッフ多くして、少ないときにはスタッフを減らせるでしょう。また天気や季節とメニューとの関係もデータ化しておけば、そろえる食材の量も調整できるはずです。
このように飲食店はデータをしっかりとって、分析することでコスト削減に結びつけられます。今までのように間に頼る経営ではなく、データ経営をはじめるためにも、データを取る仕組みについて検討してみましょう。
まとめ~飲食店のランニングコストを減らそう
ここまで飲食店のランニングコストを減らすために必要なデータ管理について説明してきました。 現在飲食店でもデータ経営をすることで生産性向上と業務効率化を図っているところが増えてきています。
とくにこのコロナでスタッフが減っている中、以前と同じように経営していくためには、データ分析をしっかりと行い、生産性向上をして行くしかありません。データを取得する方法としては POS レジが有効です。
有償POSレジで国内トップクラスのシェアのクラウド型モバイルPOSレジ「POS+(ポスタス)」は、店舗の売上向上や店舗運営担当者の業務負担軽減による生産性向上を実現し、また従業員にとって利便性の高い機能を搭載する店舗向けソリューションです。
たとえば「POS+(ポスタス)」の周辺機能の「POS+ assist(ポスタスアシスト)」は以下のような機能が備わっており、POSレジ機能だけでなく、ランニングコストの管理にも役立ちます。
シンプルで使いやすい
シンプルでわかりやすいデザインなので分析が初めての方でも簡単に使えます。
複数店舗を一元管理
複数店舗のデータを一元管理し、比較・分析することができます。
店舗経営の指標を網羅
売上分析、顧客分析、商品分析、FL分析を標準装備しています。
カスタマイズで精緻な分析
複数の分析軸を組み合わせてさらに精緻な分析ができます。
資料作成の時間短縮
会議に必要なグラフや帳票をダウンロードしてスピーディに資料化できます。
POS+シリーズと連携
POS+ シリーズとの連携で人件費の確認やアンケートの集計が可能です。
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