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【新代表メッセージ】次々と事業が生まれるこの場所で、現場目線で会社の飛躍を目指したい

皆さん、初めまして。2021年4月、パーソルイノベーション株式会社の代表取締役社長に就任しました、長井 利仁(ながい としひと)です。

総合人材サービスのパーソルグループにおいてパーソルイノベーションは、ITを活用した新事業を次々と立ち上げているので、これまでの経験を活かして社員がより活躍できる場を作っていきたいと思っています。

今回はnote初登場となる記事なので、私のこれまでについて話します。

※役職は2021年5月時点のものです。

みんなと合わせることに違和感を覚えた学生時代

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私の学生時代はインターネットが出始めの頃。Windows95が世を賑わせていました。いまでこそ、インターネットを通じて知らないことや人についても多くのことを知れます。でも当時は、自分の周りの自分が知りえることだけに留まっていることが当たり前の時期。

社会で何が起きているのか、いまよりアンテナが張りにくく、比較対象は「手が届く範囲」に限定されているものでした。私はそのような狭い世界の中でも皆と同じであるという感覚に違和感を持っていたのです。

その要因は、幼少期の9年間をドイツで過ごしたことにあるでしょう。小5で帰国したときの日本は、ランドセルは男子が黒、女子が赤が当たり前。ところが私が持っていたものは形も色も別のもの。あと数年だから変える必要もないという判断があったと思いますが、違いが許容されていないという感覚を幼いながらに感じていたことを覚えています。

「なぜみんな一緒じゃなければいけないのだろう」と不思議でしたし「みんながこうだから、自分がこう」と従わなければいけないことに、当時は大きな違和感がありました。

その感覚は進路選択の際にも感じていました。進学すること意味を見いだせず、高校卒業後はアルバイトをいくつか経験し、進学したのは情報系の専門学校。「ITって格好良さそうだな」という単純な想いから決めました。

けれど就職活動で学歴社会を目の当たりにします。大卒でないと受けられない企業があることを、初めて知ったのです。

そんな中で出会ったのかシステムインテグレーションのコムテック株式会社でした。

「一緒に働きたくない」と言われ、マネジメントスタイルを見直した

コムテックでは、客先常駐という形でプロジェクトワークに取り組んでいました。

私が常駐していたのは、当時は商社としての機能に特化(現在はメーカー機能も保有)しているクライアントでした。とても先進的な仕組みを持っており「持たざる経営」と称して、経理やコールセンターなど事業部以外の全部をアウトソースしていました。すなわち、事業部門に資源を集中し、価値創造を行っていたのです。また1年に1回チーム替えがあり、立候補制で役員を選出。そこで選ばれなかった人が、外に活躍の場を求めていく姿もよく見ました。

みんなが本気で「明日は自分の席がないかも」と危機感を持ちながら、業務に取り組む圧倒的な当事者意識がありました。事業を創造する現場を求めて「この環境を利用して頑張りたい」という挑戦者がどんどん入社してくるような会社だったのです。

私は外部の人間として横目で見ているうちに「生き生きと事業を立ち上げている人たちって格好いいな。事業をつくるって面白そう」と思うように。

「自分もスタートアップに身を置いて挑戦したい」と考えていたときに出会ったのが、2社目のITコンサルティングと業務請負を一括受託するECサーブテクノロジー株式会社でした。インテリジェンスを含む3社のジョイントベンチャーで、後に株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に吸収され、現在はパーソルプロセス&テクノロジーに姿を変えています。

そこではコンサルタントのポジションに就き、社会人として初のメンバーマネジメントを担うことに。手探りの中でのスタートに無我夢中でした。また、あの頃は就職活動で学歴社会を知ったことで「世の中の人を認めてもらうためには結果しかない」と人一倍、成果を求めていましたね。

けれど、ここで初めて成果だけを求めていても、チームで取り組んでいる目的や目標の文脈がなければ周りとの間に軋轢が生まれることを知ることになります。

当時、トラブル案件を担当しており、私はトラブルシューティングに全身全霊を注いでいました。当然、一緒にアサインされたメンバーも私と同じように「成果を追い求めている」と勝手に思い込んでいたのです。

しかし実際には「何でこんなトラブル案件にアサインされたのか」と前向きになれない気持ちの人もおり、メンバー間はもちろん、私との間にも大きな意識の差が生じていました。それが大きな溝となってチームは全くまとまらない状態に。

ある部下からは「あなたの言っていることは正しいけれど、一緒に働きたくない」とハッキリ言われてしまいましたね。

「自分の当たり前」が「他人の当たり前ではない」状況に驚くとともに、同じプロジェクトでも人によって見え方が違うことに気づいたのがそのとき。よくよく考えてみたら、私が人をまとめる立場としてゴールが見えない中で一生懸命取り組んでくれているメンバーのことを認めてあげることができていませんでした。

マネジメントする側の人間は「取り組む意義・目的を掲げ大枠の道筋を示した上で、メンバーに目を向けて頑張りを認める」。そのことに、原体験を通じて25〜26歳で気づけたのは非常に大きな財産です。後のマネジメントスタイルの基本的な考え方となりました。

コロナで重要性を増したのは「繋がり」と「コミュニケーション」

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ECサーブテクノロジーがインテリジェンスに吸収され、少し経ったとき、私は初めて人材業界に仕事に就く機会を頂きました。情報システム部門やコンタクト部門を束ねていた部署に異動し、東京で行っていた非対面の業務約100名分の仕事を仙台へ移管するプロジェクトを担当しました。当時、リーマンショックの煽りもあるなか、平時でさえ有効求人倍率が低くあまり仕事がなかった東北地方の地域雇用づくりのプロジェクトを動かしていました。

その後、インテリジェンスビジネスソリューションズ株式会社(現:パーソルプロセス&テクノロジー株式会社)の代表取締役やパーソルホールディングス株式会社の執行役員を経て、株式会社エス・エム・エスに転職。株式会社エス・エム・エスキャリア代表取締役社長(現:エス・エム・エス)としてコロナ禍を経験します。

同社は高齢化社会における医療や介護のインフラを良くすることをミッションに掲げ、医療従事者や介護スタッフの支援していました。コロナの流行により、彼らがいかに社会を支えているかを実感し、サービスを提供する側としても“安心して仕事に向き合えること”の大切さを痛感。成長と社会的な貢献の両立を目指す意義を深く考える機会にもなりました。

多くの会社が感じたであろうことですが、急激な変化、特に分散勤務であるリモートワークへの対応は多くのメリットを生み、同時に難しさも顕在化しました。

その中で自分自身が感じたのは、分散勤務になることで“自分の仕事の意義”と“ミッションやビジョン”などの上位概念との接続が見えにくくなることです。こうした背景から、自身の貢献性や成長を実感しづらくなり、“自身の存在意義”を自問自答するような話を耳にすることが多くなりました。

コロナ禍では会話の粒度に気をつけて繋がることが大事だと思ったので、社員が自分と仕事の繋がりを感じられ「ここに居場所がある」と実感できるようなコミュニケーションを常に意識しました。

細かいタイミングで、自分たちの仕事が何に繋がっているのかをくり返し伝えた1年間は、振り返ると社員やチーム同士の繋がりを強固なものにしていった日々だったように感じます。

「はたらいて、笑おう。」は、繋がりのある世界観

2021年4月、私はパーソルイノベーションの代表取締役社長に就任しました。

「はたらいて、笑おう。」を掲げるパーソルグループに戻ってくるにあたり“はたらく、とは何か”を改めて考えてみました。

いままで「給与をもらう労働=はたらく」と狭義で考えていましたが、最近の価値観の変化を鑑みると「社会への参加=はたらく」と考えた方が正しいのかもしれません。

「はたらいて、笑おう。」は人と社会が繋がることで感じられる幸せを実現した世界観であり、そこまで捉えて取り組むべきミッションなのだと、私は考えています。

自分が自分で望む方法で社会に参加し「繋がっている」実感を持てることが、大事なのではないかと。そのために人は、まず自分自身のことを理解すること、自分で社会とのつながる選択肢を持っていること、そして、求められるスキルを身に付けることの重要性も高まります。

企業も人材不足を前提として、持続的成長の実現にむけて事業変革や、自社が社会へ貢献できる価値の発信の重要性も高まるでしょう。

“はたらく”がこれほどまでに注目され、変化が大きい時代に直面していると、私たちが取り組む課題はとても大きく、これからの社会に対して必要不可欠なものであると考えます。

その観点で、当社を見ると様々な事業の立ち上げへのチャレンジを通じて、大企業の中で社会の問題解決のため新分野の探索をおこなっています。「はたらいて、笑おう。」を実現に向け、お客様や現場をよく知る社員の声にきちんと耳を傾けたいし、また自分で現場を歩くことで得たいろいろな気付きを大事にしたい。

それらをうまく形にして磨いていった先に、さらなる事業の誕生や問題解決に繋がると思うからです。

社会からの要請と市場を正しく捉え、世の中から応援される事業を仲間とそしてお客様とともに作りつづけ、パーソルイノベーションを飛躍させたいですね。


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