飲食店の食材卸売業者選びの悩みを解決!卸売業者や生産者から購入する際のメリットから管理法まで解説
パーソルイノベーション・デジタルマーケティング部の福井です。飲食店で悩ましい問題のひとつに食材の卸売業者をどうするかというのがあります。現在、食材の仕入れ先は多様化しており、卸売業者だけでなく生産者から直接購入したり、通販で仕入れることも可能です。
選択肢が増えたことはよいことですが、どのように食材の卸売業者やその他の仕入れ先を選べばよいか、その判断が難しくなっています。とくに開業する際に決めるのは難しいでしょう。
そこでこの記事では、食材の卸売業者を含む仕入れ先の種類とその説明だけでなく、選び方についても説明します。
飲食店が食材の卸売業者を選択する重要性
飲食店の場合、食材を仕入れなければ料理が作れません。しかしどんな食材でもよいというわけではありません。提供する料理の質は食材の善し悪しによって大きく変わるでしょう。
また食材は長持ちしません。そのため早いサイクルで購入していく必要があります。食材は料理に大きな影響を与え、購入頻度も高いわけですから、仕入れ先の選定は非常に重要になります。そのためしっかりと仕入れ先を選ばなければならないわけです。
飲食店は食材の卸売業者を決める前にメニューを考えるべき
食材の卸売業者を決めるためには、メニューが決まっていなければなりません。メニューが決まってはじめて、どの食材を発注するか決まるからです。ただしどのようなメニューを作ってもいいというわけではありません。
原材料費は飲食店では非常に重要な費用になります。メニュー価格のうち、原価率は多くても35%程度でなければなりません。原価率が高すぎれば、利益が少なくなります。
そのためメニュー価格を上げなければならないことも想定されるでしょう。メニュー価格をしっかり決めて、その予算内で購入できる仕入れ先を選ぶようにしましょう。
飲食店は必要な仕入れを見極めてから食材の卸売業者を決める
メニューが決まったら必要な食材を選ぶのですが、ここでもすぐに業者を選択してはいけません。業者を選ぶ前に以下の2点を確認しておきましょう。
・購入すべき材料は何か
提供する料理で必要な食材は一体何なのか、まず購入すべき材料について洗い出す必要があります。必要な食材が買えない業者は仕入れ先にはならないですよね。
またすべて同じ仕入先から仕入れる必要もありません。ほとんど利用しない調味料は近くのスーパーでも購入できます。そうした分類も事前にしておいた方がよいでしょう。
・特別な食材はあるか
飲食店で提供する料理の中には、その料理のウリとなるポイントがあるはずです。たとえば地元の野菜を使った料理であれば、地元の野菜を使う必要があります。そのため地元の野菜を取り扱っている業者から仕入れなければなりません。
また一般的に手に入らない食材を使う料理であれば、仕入れ先は自然と限られてくるでしょう。もしどこから仕入れられるのかわからないのであれば、業者に聞いてみるのもひとつの方法です。
飲食店の食材卸売業者とその他の仕入れ先の特徴を確認しよう
食材卸売業者を含む仕入れ先としては以下の6つが考えられます。ここではそれぞれの仕入先の特徴とメリットについて説明します。
・卸売業者
卸売業者は一般的に飲食店が使っている仕入先でしょう。必要な商品について見積もりを出してもらい、価格交渉して商品を購入します。価格が高いと思う場合は、相見積もりを取って卸売業者を決めることもあります。
店舗への発送やかけ払いも行っており、品揃えも豊富なのが大きなメリットです。ただし見積もりを取らなければいけなかったり、少量で購入するというのはなかなか難しいというデメリットがあります。
卸売業者には、幅広い食材を揃えている総合卸と、和食やイタリアンなど特定のジャンルに絞った専門卸があります。ジャンルにこだわりがある飲食店であれば、専門卸を選択するのもありです。
また食材に特化した卸売業者もあります。たとえば野菜や魚を専門に扱っている業者です。新鮮な魚料理を出したい飲食店であれば、食材別の卸売業者を使う方法もあるでしょう。
・通販専門の卸売業者
卸売業者の中には通販専門の卸売業者もあります。通販の最大のメリットは、ネットを通じて簡単に注文できることです。また注文すればすぐに届くというメリットもあります。
通販の場合は小ロットでの注文も可能で、品揃えも豊富であり価格も安いというのもメリットです。一般的な卸売業者と同じように、掛け売りに対応しているところが多く、まとめて支払いを行えます。
ただしカタログから商品を選ぶため、実際の商品を確認できないというのと、配送料がかかるというデメリットがあります。配送料に関してはまとめて注文すると無料になる場合もあるので、通販をうまく利用すればデメリットの解消になるでしょう。
・生産者
最近では生産者から直接購入するパターンもあります。インターネットによって、飲食店と生産者をつなぐというサービスも出てきています。間に入る業者が減ることで、通常よりも安く品質の高い食材が手に入るというのは大きなメリットです。
ただしすべての食材を別々の生産者から直接購入するとなると、割高になってしまいます。卸売業者でまとめて買う方が安くなるわけです。そこで生産者から直接購入するのであれば、食材を絞った方がよいでしょう。
・市場
市場も食品の仕入れ先候補のひとつです。地元の貴重な食材がそろっており、割安で購入できるのが大きなメリットです。また市場の事業者と交流を深めることで、現在の市場の動向が理解できるようになります。
ただしいきなり市場に行っても、よい食材が手に入らないことが多く、関係を築くのに時間がかかるというデメリットがあります。
・業務用専用スーパー
業務用の専用スーパーは、品揃えも豊富で、価格も安いというメリットがあります。もし自店の近くに業務用スーパーがあるのであれば、利用してもよいでしょう。ただし、近くに業務用スーパーがないこともあります。
また定期的に買い出しに行くのが大変だというのもデメリットです。個人の飲食店で、購入する量が少なく、頻繁に買い出しに行く必要がないのであれば利用価値があるでしょう。
・スーパーや商店
近くのスーパーや八百屋さん、肉屋さんなどで購入するという方法もあります。近くであれば買い出しの手間もそれほどありませんし、商品を見て購入できるというメリットもあります。
ただし豊富な品揃えは期待できず、安く購入することもできないため、飲食店としては差別化が難しくなるでしょう。また掛け払いができないのもデメリットです。足りない食材を補うくらいの利用方法が正しいでしょう。
飲食店が食材の卸売業者を選ぶポイントは?
仕入れの前に確認すべき項目を決めたら、いよいよ食材卸売業者を含む仕入れ先を選定します。食材卸売業者を含む仕入れ先を選定する基準は以下の3つです。
・価格は適切かどうか
先ほども述べた通り、原価率は非常に重要な要素です。そのため価格は仕入れ先の選定のポイントとしてはじめに考える必要があります。もし価格が高いと感じるのであれば、相見積もりを取ってみるのもひとつの方法です。
相見積もりを取ることで適切な価格というのも把握できます。またまとめ買いをすることで安くなる場合もありますので、仕入先に相談してみるのも必要でしょう。
・品質はよいか
価格がいくら安くても品質が悪ければ、料理の味も落ちてしまいます。そのため品質と価格のバランスは非常に重要です。品質の良し悪しは必ず自分で確認しておきましょう。
・安定的に食材を提供できるか
飲食店は毎日同じメニューで料理を提供しています。そのため食材が購入できないとなれば、お店が開けられない場合も出てきてしまいます。食材が購入できずお店を開けられないとなれば、飲食店としては大きなマイナスです。
安定的に食材を購入できるかどうか、事前に確認しておいた方がよいでしょう。また万が一食材が手に届かない場合は、別の業者を使うことも考えておいた方がよいので、サブの業者も選定しておいた方がよいです。
たとえば野菜は市場で手に入れるのがメインにして、もし手に入らない場合は近くのスーパーや業務用専用スーパーを使うという方法も考えられます。うまく複数の仕入れ先を組み合わせて、よりよい料理を提供できるように工夫してみましょう。
飲食店は食材卸売業者からの仕入れ管理を徹底しよう
仕入れ先を決めたら、後は定期的に購入するだけというわけにはいきません。飲食店は毎日同じように同じ食材が使われるわけではありません。また食材は鮮度が重要ですので、使われない食材は食材ロスとして廃棄される可能性もあります。
そのため仕入れ先が決まったら、次は食材ロスが起こらないように、仕入れ管理を徹底しましょう。仕入れの管理をするためには、毎日の売上の予想を立てる必要があります。
売上予想を店長の勘にもとづいて行っていると、うまくいかないことが多いです。そのためしっかりとデータをとっていかなければなりません。店舗のデータを取るためにはPOSレジが有効です。
POSレジであれば顧客のデータだけでなく、その日の状況も入力できます。こうした情報を集計し分析することで、今後の売上が予想でき、食材ロスが起こらない仕入れも可能になるでしょう。POSレジであれば、エクセルで管理するよりも簡単です。
ではどのPOSレジを導入すればよいでしょうか。たとえばおもてなしをお手伝いするPOSシステム「POS+ food」は、飲食店が抱える店舗運営における課題を効率的に解決、サポートします。
有償クラウド型モバイルPOSレジで国内実質トップクラス「POS+(ポスタス)」は、店舗の売上向上や店舗運営担当者の業務負担軽減による生産性向上を実現し、また従業員にとって利便性の高い機能を搭載する店舗向けソリューションです。
実際、飲食店に特化した「POS+food」を導入した飲食店では以下のような効果が見られます。
焼肉レストラン リブランド様
実はPOS+ を使うようになってから、現場で発注ノートというものをつけるようにしています。何がどれくらい残っていて、じゃあ明日何が売れるの?というデータ分析をする。それで発注をどうするという意思決定を現場でするようにしています。
https://www.postas.co.jp/casestudy/2893/index.html
海鮮酒家 亀膳 〜KAMEZEN〜様
亀田:季節ごとに商品が変わるのが、和食のいいところです。たとえば、もうすぐうなぎが旬なので、蒲焼始めよう。じゃ、去年はいつごろいくらで仕入れて、どのくらい出たってすぐにわかる。それなら今年はこれだけ仕入れよう、いつから始めよう、ってすぐに戦略を立てられます。
和食は、仕込みをしておけるから注文が来たらすぐ出せるけど、上手にやらないとロスが出る。でもPOS+ なら、去年のこの日は売り上げがいくらで、何が出たかもわかる。その日は雨だった、とかもすぐにわかる。だからロスが出ないように研究できるのは、すごくいいですね。
https://www.postas.co.jp/casestudy/1698/index.html
神楽坂すしアカデミー様
立花:当店には寿司職人を目指す学生も多く働いていますので、その学生たちに数字管理の重要性を理解してもらうためにも、ぜひ導入したいと考えて実行しました。
立花:寿司店の中には、しっかりと売上や仕入などの数字を管理している店がある一方で、店主のどんぶり勘定で運営しているようなところも多いのが実情です。自分の店を持った際には数字管理は絶対に必要であり、結果を分析して店舗運営に活かすことが成功につながる、ということを学生たちには理解してもらいたいですね。
https://www.postas.co.jp/casestudy/327/index.html
まとめ~飲食店は食材の卸売業者を含む仕入れ先は複数選ぼう
ここまで飲食店の食材卸売業者の選び方と仕入の管理法について説明してきました。 食材卸売業者だけでなく仕入れ先はひとつに絞る必要もなく、複数をうまく組み合わせて活用するようにしましょう。また仕入れを管理して、食材ロスを減らすのはとても大切です。
食材ロスを減らすだけでも、費用削減につながるでしょう。 POS レジを導入し、データをしっかりと分析することで、食材ロスを減らしてみましょう。 コロナの中でもデータ活用することで売上を伸ばしている飲食店もありますので、この機会にぜひ検討してみてください。
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