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サービスのさらなる進化に必要だったのは「TECH PLAY独自」のバリューだった

「サービス提供開始から10年。事業成長が加速してきた今だからこそ、トップダウンではなく自律型の組織を目指したい」。そんな思いで、エンジニア向けのテックイベント・勉強会の実施に加え、法人向けのサービスも複数展開しているTECH PLAY(テックプレイ)は、2022年9月に独自のバリューを策定しました。

こんにちは!パーソルイノベーション インキュベーション推進部 グロース支援 人事・採用室の小林 日奈子です!

TECH PLAYのメンバーがサービス独自のバリュー策定で大切にしたのは、これまで大切にしてきた価値観を今いるメンバーで共有し、日々の事業に落とし込めるようにすることだったそうです。その背景には、直近2年で組織規模が倍になったことで、事業が新たなステージに突入したことがあります。

パーソルグループのビジョンやパーソルイノベーションが所属する「Solution SBU(※)」の提供価値とバリューが定められている中で、あえてサービス独自のバリューを定めたのはなぜか。個々が共通の価値観を持ちながら意思決定し、事業を進化させるために掲げたバリューとはどういうものなのか。

事業責任者の武藤 竜耶(むとう たつや)さんに、バリューに込めた思いを聞きました。

※Soltuion SBU
パーソルグループは、5つのSBU(Strategic Business Unit)体制で事業を推進しています。パーソルイノベーションが中核会社を務め、複数社で構成されるSBUがSolution SBUです。

武藤 竜耶(むとう たつや)
2011年、インテリジェンス(現、パーソルキャリア)に新卒入社し、約4年間デジタル人材領域の採用支援を担当。その後、デジタル人材領域の採用支援部門責任者として2年間部門立ち上げに取り組み、さまざまなテーマに従事。2017年に『TECH PLAY』にジョインし、現在はTECH PLAYの事業責任者として全体を管掌している。

※所属部署・役職は2023年2月時点のものです。

メンバーに求める行動指針を言語化する必要があった

ーーTECH PLAYは事業として順調に成長しています。なぜこのタイミングでSoltuion SBUのバリューパーソルグループのビジョンとは別の、独自のバリューを作成したのでしょうか?

いわゆる「50人の壁問題」にぶち当たったからですね。

TECH PLAYは2013年にサービス提供し始め、5年くらいかけて創業者の鳴釜優子さん、元事業責任者の片岡秀夫さん、僕というボードメンバー3人で事業の大枠を作りました。

僕らはもともと距離が近く、共通言語も多かったことから、事業に対する認識が合いやすくて。「あの会社のあの人に『良いね』と言ってもらえるサービスにできたら、僕らの理想に近いよね」と、二言三言交わすだけで、目指す事業の方向性を共有できたんです。

当時は他のメンバーとも、ボードメンバーと近い距離で認識を合わせられていました。

しかし組織人数が20人を超えた2020年ごろから、「これまでのTECH PLAYの歩み」を伝えきれなくなったんです。新しいメンバーからも同様の声をもらっていましたが、物理的に全員と同量のコミュニケーションを取ることが難しくなりました。これが、バリュー策定の大きなきっかけの一つです。

一方で、2019年に掲げたミッション「TECH PLAYERとTECH COMPANY(※)を増やす」は、組織全体でしっくりきていたんです。だからこそ、このミッションを実現するため自分たちは具体的に何をすべきか、既存メンバーに伝えていく必要があると考えました。

また、組織を更に成長させていくうえで、今後、多様な価値観を持つメンバーを迎えていくはずです。それによって組織分断や意思決定スピードの鈍化、TECH PLAYらしさが薄れてしまうことがあってはならないとも思っていました。

そこで、これまで暗黙知となっていた「TECH PLAYに流れる共通の価値観」をバリューとして定めようと。自分たちはどういう組織なのか、どんな価値・行動基準で歩んでいくかを明確にしたかったんです。

※TECH PLAYER/TECH COMPANY
テクノロジーの力を信じ、テクノロジーを武器に新しい価値を生み出すために挑戦しているすべての人や企業

良きカルチャーを守り、さらに飛躍するための4つのバリュー

ーーバリューを策定する上で意識したことを教えてください。

自分たちが日々使える言葉に落とし込むことですね。バリューは作ることよりも、日々使って馴染ませていき、自分たちのものにしていくことが大事だと考えています。メンバーがチャットツールのスタンプ1個で気軽に表現できたり、それ自体が形容詞になる状態を理想としていたので、ワーディングにものすごくこだわりました。

一番大事にしたのは、メンバーが大切にしている価値観に向き合うこと。メンバー全員でバリューを棚卸しし、新たに作り上げるプロセスを重視しました。

具体的には、全メンバーがチームに分かれて参加するバリューディスカッションを3回実施しています。1チームは4名程度の少人数にし、各マネジャーがファシリテーション役を担って、全員から「仕事をしている中で大切にしている価値観」を引き出しました。

その結果をスプレッドシートに共有して、メンバー全員がお互いの価値観に触れられるように配慮。最後に、経営陣とマネジャーたちで合計10時間以上議論し、メンバーが出してくれたキーワードの内側にある思いの理解に努めました。

そうして決まったのが以下4つのバリューです。

「Give First」

もともとTECH PLAYのメンバーはGiveの精神が強いんですね。「顧客にとって本当に価値のあるサービスを提供したい」「良い仕事をするためにチームメンバーに貢献したい」そんな想いを持ち、己ではなく顧客・チームメンバーにベクトルを向けて働いているメンバーがTECH PLAYには集まっています。「利他の精神を持ち、最高の価値を提供する」そんな姿勢ってすごく良いな、守り続けたいな、と。

一方でGiveの量に偏りがあって、人によってはGiveのし過ぎで疲れてしまっているメンバーもいたのも事実です。みんなで同じ目線にするためにはバリューとして謳う必要があると考えました。

「Take a Stance」

自分が正しいと思うことをしっかり伝え合える、誠実なカルチャーを残したいと思い、主体性を謳った文言を入れました。組織が大きくなり、意見が増えると、意見をすり合わせるにはパワーが必要です。入社時期に関わらず、どんな人でも今自分が感じていることを伝えあい、理解しあうことを諦めない組織でありたいですね。

「PLAY!」

これはサービス名に入っているくらい、僕らがずっと大切にしている価値観で「自分の内発的動機を大切にしよう!」というニュアンスです。技術は、自身が実現したい未来のために、自ら学び、活用していくものだと思います。

それに共感してくれる人に向けたサービスを作るのなら、僕らも心の中にPLAYを持っていなくてはいけません。TECH PLAYのサイトはそれを体現出来る場、つまりユーザーであるエンジニアの皆さんにとってわくわくするプラットフォームを目指して運営しています。それはどれだけの規模になっても変わらないポイントです。

「Input & Try」

この業界は流れが速く、情報や常識が日々アップデートされていきます。そんな中で、僕ら自身が変化に柔軟でありたい、変化に挑戦し、学びを得ていくスタンスを持ち続けたいと思っています。元々はInput&Outputだったのですが、Outputは「求められる成果」というニュアンスが強く、もっとTryそのものに臆さない文化にしていきたいという背景からこのバリューになりました。

全員が主体的にバリューを体現できる組織にしたい

ーーバリューを発表してから6ヶ月経ちました(2023年2月現在)。現在地を教えてください。

これからメンバーの日常生活に染み込んでいくだろう、というところですね。

僕は2022年4月に事業責任者となり、最初に取り組んだのが今回のバリュー策定でした。共通の価値観をはっきりさせるとともに、マネジャーを選任してスモールチームをいくつか編成し、組織の交通整備をしたのが上半期のことです。

この下半期は、各チームがミッションや事業成長にどのくらい貢献するのかが重要テーマだと思っています。今、メンバーの力を組織の力に変えていける運用になり始めているからこそ、成果として現れるように導きたいですね。

遠くない未来で、日常的にメンバーが「その仕事ってGive Firstだね」なんて言い合っている光景が見られたら嬉しいです。

ーーバリュー浸透のために施策を打ち出しているそうですね。

はい、3つ打ち出しています。

1つ目がTECH PLAY Value AWARD。10月に開催した下半期の事業部内のキックオフで、第1回アワードを開催しました。メンバーから他薦してもらってVP3人、MVP1人を表彰したのですが、久しぶりにオフラインで集まったこともあり、大いに盛り上がりましたね。

2つ目がチャットツールの自動集計。TECH PLAYはオープンチャンネル式を採用しており、日頃の行動で「いいね」と思ったら、互いにスタンプを押し合うのが日常です。その数を自動集計して、どんな人のどんなコメントにスタンプが集まっているのかを測っています。

それにより、日常でバリューを体現しているのがどんな人なのかが見えてくるはずです。

3つ目が分科会の設置。組織が大きくなると、自分のセクション以外のことへの意見は飲み込みがちです。分科会では、メンバーが課題に感じたことを、カンパニー組織全体でサポートして解決を目指しています。

今は6つの起案に対して行動中。たとえば「情報のアクセシビリティを高めたい」に対しては、主にサービスのマーケティングを担う社員と組織のミドルバックを支えるコーポレートメンバーと呼ばれる社員が手を組んで改善に努めています。そのほか「業務情報の可視化」「中途入社メンバーのフォローアップ強化」などを、チーム横断で進めているところです。

ーーバリュー策定後、メンバーにどのような変化を感じていますか?

2つあります。1つ目はチームを超えたコミュニケーションが増えました。分科会が代表例で、全体の課題に対してチームが異なるメンバーが集まって課題解決に取り組んでいるんですね。これはTECH PLAYのバリューという共通の価値観を得た効果だと思います。

2つ目がチーム内での問題解決能力が上がりました。前述した通り、TECH PLAYのバリュー策定と同時にスモールチームを編成したのですが、各マネジャーが自分のチームをより良くするために工夫している姿がよく見受けられます。

マネジャーが主導して課題解決したり、メンバーからボトムアップで課題が上がってくるようになったりして、チーム内での問題解決のスピード感やパワーが増しました。

それはきっと、バリューによって組織として推奨されること、されないことがはっきりしたからでしょう。

今回選任したマネジャーは、全員が役職経験者というわけではありません。人によっては壁にぶち当たることもあると思いますが、そんな時でもマネジャーとしてどの方向に導けば良いのかがはっきりしたので、マネジメントしやすいようです。

ーーでは今後、どのような組織にしていきたいですか?

全員がミッションに対して主体性を持って取り組める組織にしたいですね。

TECH PLAYには事業が3つあり、それぞれに最適な歩み方があります。現場がそのことを理解しクイックに動く、自律型の組織が理想です。

個人個人が言われたことをやるのではなく、共通の価値観に向かって自分で意思決定していく。その状態が、どれだけ組織規模を拡大しても失われることがないように策定したのが今回のTECH PLAYのバリューです。

バリューは策定して終わりではありません。今回の策定で、現在のTECH PLAYにフィットしたバリューができあがったので、まずはチームに浸透させ、活用していくこと。将来的にはTECH PLAYが高みを目指す上で、バリューもアップデートしていきたいとも思っています。

一人ひとりのバリューの体現により、一体となれる組織を目指したいと思います。

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