“型化”を意識したマーケティングで“車輪の再発明“を防ぎ、新規事業を支援する。デジタルマーケティング部の機能とは
パーソルイノベーションに属する事業部の多くは、各々マーケティング担当者を抱えています。それなのに、会社として独自のマーケティング部隊があるのはなぜなのかーー。
こんにちは!パーソルイノベーション インキュベーション推進部 グロース支援 人事・採用室の小林 日奈子です!今回は、デジタルマーケティング部部長の木村 隆志(きむら たかし)さんが登場してくれました。
部署の役割は「ひとつの事業ではなく、複数の新規事業を横断的に支援すること」と語る木村さん。具体的にどのような活動をしているのか、仕事の面白さと合わせて聞きました!
※所属部署・役職は2022年5月時点のものです。
「学ぶ」から「はたらく」へ
ーー木村さんは、パーソルグループにジョインする前は教育関連の事業に携わっていたんですよね?
そうです。教育系企業でD2Cのダイレクトマーケティングを長いことやっていました。
海外新規事業の部署にいたときには、進出する国を決めて現地調査をし、現地駐在して支援するなど統括的に担当。これが新規事業のマーケティングに醍醐味を感じたきっかけで、今の仕事の原点になっています。
このように「学ぶ」領域に没頭したのち、次は「はたらく」を支援したいと考えました。
「学ぶ」と「はたらく」は地続きです。これまで教育業界で人々の向上意欲を支援するための行動意欲を支援するためにマーケティングや商品開発をしてきたので、その経験を活かして「はたらく」に携われる場所を探して見つけたのがパーソルでした。
ーーそれでパーソルホールディングスに入社したのですね。その後、パーソルイノベーションに転籍したのはどのような経緯があったのですか?
パーソルホールディングスでは、DX本部で各子会社を支援するプロジェクトに参画していました。そこからパーソルイノベーションに出向になったのが2021年4月。
2年間だけという話でしたが、とてもやりがいを感じていましたし、今取り組んでいる仕事が2年でやり切れるとは到底思えなくて。パーソルイノベーションの仕事に本腰を入れたくて期間満了を待たず2022年4月から転籍することに決めました。
事業のステージごとに適した支援を
ーー現在、木村さんが部長を務めるデジタルマーケティング部の役割を教えてください。
簡単に言うと、SOL SBU内にある全新規事業において幅広いマーケティング施策を横断的に実施するための支援です。事業責任者と話し合いながら、事業フェーズごとに必要なものを支援しています。
ーー事業部によってはマーケティング担当者がいると思いますが、デジタルマーケティング部が果たす役割はどのような点にあるのでしょうか?
マーケティングの観点で、各事業部の「足りない」部分を補う点が特徴だと思います。
前提として、パーソルイノベーションの新規事業は最小単位で立ち上がります。事業責任者がセールスや商品開発を兼務することだって珍しくありません。
特にプロブレムソリューションフィット(PSF)(※)段階では、マーケティング専任担当がいないことも往々にしてあるのです。その段階では私たちがマーケティング業務を担当します。
(※)顧客が抱える問題や課題を解決する製品(プロダクト、サービス)を提供している状態のこと
その次の商品を磨くフェーズであるプロダクトマーケットフィット(PMF)(※)段階に進み、マーケティング担当者が着任しても手数が足りないことがあるので、その場合も私たちのような存在が求められるのです。
(※)製品(サービスや商品)が特定の市場において適合している状態のこと
ーー具体的にどのような支援をしているのでしょうか?
部門名は「デジタルマーケティング部」ですが、いわゆるデジマに限らず、事業ステージごとに必要なマーケティングを実施しています。
事業の初期フェーズでは、サービスが世間に認知されていないことがほとんど。そのためまずは「テレマーケティング」で直接的にターゲット企業群にコールドコール(架電)を行い、商談アポイントを獲得します。その活動を通じて、「誰のどんな課題になにを訴求するか」を確立していくのです。
1段階目を過ぎて、ある程度「誰のどんな課題になにを訴求するか」が定まってきたフェーズにおいては、ターゲットに合わせたWebサイトやLPを用意する「コンテンツマーケティング」を実行します。事業化時に仮説ベースで制作されたペライチに近いLPをリニューアルし、一定のコンバージョンが期待できるように環境を整え、インバウンドリードの増加を目指します。
また前述の2つの段階を経た事業は、「広告」によってさらなる流入拡大を図ります。事業の成長のためには見込み顧客を増やすチャネル作りが不可欠。Web広告・SNS広告・その他外部媒体を利用して認知度向上と顧客拡大のアクセルを踏み込みます。
ここで役立つのが、私が兼務する『ポスタス』でのマーケティング業務経験です。
『ポスタス』は「有償ポスレジでは実質No.1」と言える事業で、直販を強化するグロースフェーズにあります。オンライン・オフラインのマーケティング施策を総合的に行い、リード獲得・商談化設定を進めています。そこでの知見を蓄積し、当社の新規事業に応用・横展開しているのです。
その中で広告を出す際の訴求設定や抑えるべきセオリーはナレッジとして蓄積しているので、それらを当社の成長フェーズである事業や立ち上がり間もない事業に活かしています。
外からの支援だけど、熱量は中の人と同じ
ーーデジタルマーケティング部の仕事のやりがいや面白さを教えてください!
ゼロイチの立ち上げを側面から支援し、事業の成長に貢献できるのは大きなやりがいです。複数の事業に携わるので、事業のステージや商材の違いを踏まえて最適な施策運用を考え実行するのは難しいですが、同時に面白さにもなっています。
また部署の人数が少なく、実際に手を動かすような作業も全部自分たちでやるので、「様々な筋肉を使う」という働き方も、パーソルイノベーションのデジタルマーケティング部ならではかもしれません。
もちろん、事業のマーケティング担当者として入るからこそできることもたくさんあるでしょう。けれど私たちのように【支援側】として側面から関わることで、全体を俯瞰でき、事業の中にるが故に気づけない客観的な意見を伝えることができる。結果的に事業をもっと強くできるのです。
いま私はポスタスで言えば事業の中、パーソルイノベーションで言えば側面からのマーケティング支援を兼務していますが、それぞれ違った面白さがあるとしみじみ感じています。
ーーでは、外からのマーケティングで意識していることはありますか?
ある程度、業務の“型化”を意識することです。
前述の通り、私たちは複数の事業に携わっています。それぞれに適したマーケティングをする上で、型化されたものがあれば、スピード感を持ってマーケティング活動を推進できるのです。
また顧客理解とマーケット理解も、筋の良いアイデアを出すためには欠かせません。外から見ているだけではわかりにくいこともあるので、最近は商談に同席することもありますね。
とはいえ、一番大事なのは事業責任者との信頼関係かもしれません。各事業の課題を理解し、先回りして手を打っていくためには「事業責任者と対等に会話できる」スキルセットが不可欠だと思っていて。これは、デジタルマーケティング部の若いメンバーであっても求められるでしょう。
ときには方向性を巡って議論が白熱することもありますが、それは事業の成功に対して、お互いに高い熱量を持っているからこそ。絶対に必要な議論だと思いますし、そうして互いにさらけ出した想いを、良いマーケティングに昇華させていきたいですね。
事業ごとに最速で最適なマーケティングを
ーーデジタルマーケティング部が掲げるビジョンを教えてください。
「“車輪の再発明“を防いで、事業を最速で立ち上がらせる」です。
「車輪の再発明」とは、「広く受け入れられて確立されている技術や解決法を知らずに、または無視して再び一から作ること」を指しますが、新規事業においては、知らないが故に車輪を再発明してしまうことが往々にしてあるのです。
実際、前職の海外事業でも同様の経験をしました。事業の0→1の立ち上げの中で大きなアクシデントがあり、1年かけて軌道修正したことがあったんです。けれど振り返ると、当然考慮しておくべき観点が漏れていました。
このように、知っていれば防げた失敗や遠回りをなくすため、常識やセオリーに最初からたどり着けるように取り組んでいるのが前述した“型化”です。
多くの事業に携わっているからこそ、それぞれの施策で見えたことを型化し、他の事業やこれから立ち上げる新規事業に活かしたいと考えています。
ーーでは、これから部として取り組みたいことはありますか?
新規事業にフィットした顧客基盤を作り、それを積み上げて行きたいと考えています。グループ全体のカスタマーデータプラットフォームはありますが、それはパーソルイノベーションの各事業に最適とはまだ言えません。新規事業にフィットした顧客基盤を作りたいと考えています。
そうすることで、パーソルイノベーション全体のマーケティング活動のスピード感と効率がアップするはずです。
ーー最後に、これから仲間になってくれる方にメッセージをお願いします!
パーソルイノベーションのデジタルマーケティング部は、色々なことに取り組める部署です。なので自分自身のコアとなるものを持ちつつ、幅広く経験して活躍したいと思っているT型人材が仲間になってくれると嬉しいです。
新規事業で苦労したことがある方も向いているかもしれません。事業メンバーに共感できますし、泥臭いことも楽しめるはずです。
マーケティングはお客さんとの最初の接点を作れる仕事。ぜひ良い接点を一緒に作っていきましょう!
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