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飲食店のマニュアル作成のポイント|スタッフの業務・接客マナーをルール化して徹底的に効率化!

パーソルイノベーション・デジタルマーケティング部の福井です。カフェやレストラン、居酒屋など飲食店をひとりで行うのは難しいですよね。そのため人数は飲食店によって違いますが、スタッフを雇っている飲食店は多いです。

飲食店は接客がとても重要です。スタッフを雇って何も教育しないで接客させると、飲食店の評判が下がるのは間違いありません。キッチンを手伝ってもらう場合も、何も指導しなければ、今までと違う味の料理ができあがる可能性もあります。

口頭でいろいろと指導することはできますが、マニュアルを作成したほうが従業員のレベルを一定に保つためにも有効です。また開業時にマニュアルがあると、バイトにも正社員にも指導が楽です。

では飲食店マニュアルはどのように作ればいいのでしょうか。また飲食店マニュアル作成の注意点はあるでしょうか。この記事では飲食店マニュアルの作り方だけでなく、注意点もあわせて説明します。

飲食店のマニュアルの役割

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そもそも飲食店がマニュアルを用意するのはなぜでしょうか。マニュアルが必要になるのは、ひとつには各お店の接客の方法を従業員に教育するためです。接客といってもお店によって接客の方法は異なります。

居酒屋とレストランでは接客の方法はかなり異なるでしょう。自分のお店の接客についてしっかりとマニュアル化することで、スタッフに自分たちの飲食店の接客方法を示せるのです。

また従業員によって接客の方法が異なっては困ります。料理の味もスタッフによって変わってしまっては問題でしょう。そこでマニュアルがあれば、そのマニュアル通りにすることで、スタッフ全員の共通のやり方で動けるのです。

マニュアル作成のメリット

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マニュアルを作成するメリットとして以下の3つが上げられます。

1.業務の共通化

マニュアルを作成することで業務の共通化が図れます。マニュアルを全員が持っていれば、その通りに行えるわけですから、サービスがスタッフによってバラバラになるという危険性がなくなります

どのスタッフでも同じようなサービスを提供できるというのは、飲食店にとって必須の条件です。とくに繁盛店はスタッフが増えるわけですから、こうした業務の共通化は大変重要な要素になるわけです。

2.教育がしやすい

教育のやり方としては、口頭で説明することもできますが、口頭だと人によって説明の仕方か違ったり、説明されたことを忘れてしまったりすることもあります。またすべて教えなければならないので、時間もかなり取られてしまうでしょう。

しかしマニュアルにもとづいて説明すれば、誰が教えても共通の内容になります。教えられなかった内容については、「マニュアルを読んでおいてください」という指示を出すことも可能です。このようにマニュアルを使って教育すれば、とくに新人スタッフを教育しやすいというメリットはあるでしょう。

3.ふり返りをしやすい

マニュアルのメリットとしては、振り返りがしやすいというのがあります。口頭で説明された場合、 その説明を忘れてしまうともう振り返りのしようがありません。メモに取るなどの指示が出ますが、そのメモがしっかり取れているかはスタッフによって異なるでしょう。

その点マニュアルがあれば、忘れてしまった内容はマニュアルを読んで復習できます。この世にマニュアルがあることで振り返りがしやすいというメリットもあるわけです。

マニュアル作成の流れ

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マニュアルを作成するには以下の5つの手順で行います。

1.マニュアルの目的とルールを明確にする

まずマニュアルは一体何のためにあるのか、その目的を明確にしておかなければなりません。このマニュアルを読んで、このマニュアルに沿って業務を行って欲しいのであれば、目的についても明記しておかなければならないでしょう。

また飲食店によって接客のルールが違うのはすでに述べました。そのため自分では一般的だと思っている内容も、実は飲食店独自のものである可能性もあります。そのため自社の飲食店のルールについても、明確に示しておく必要があるでしょう。

たとえば引き継ぎのルールや出勤時にやるべきこと、お店に持ってくるべきものなどが自社のルールに当たると考えてください。

2.マニュアルに書くべき項目と評価基準を考える

次にマニュアルに書くべき内容を洗い出します。一日の業務においてどのような作業が行われているのか、順番はまず考えずに、箇条書きで洗い出してみましょう。

業務をすべて書き出してから再び見直すと、足りない業務が分かってくると思います。このマニュアルを見れば、業務を一日こなせるという状態が完成形です。

次に業務を書くだけではなく、その評価の基準も書いておくべきです。「掃除をしましょう」と書かれていても、人によって掃除のレベルは大きく異なります。本人にとっては掃除をしたと思っても、周りから見れば掃除をしていないに等しいということも起こり得るわけです。

そのためどのレベルまでやるべきなのか、それぞれの業務の基準を明確にマニュアルに記載しておきましょう。そうすることで従業員が業務の内容がわかりやすくなるだけでなく、管理者にとっても評価がしやすいというメリットがあるわけです。

3.どのマニュアルにどの項目を書くか考える

次にそれぞれの業務をどのマニュアルに書くか考えます。マニュアルとしては業務フローマニュアル、接客マナーマニュアル、キッチンマニュアル、トラブル対応マニュアルの4つあります。

現在あげられている業務がこのマニュアルのどの項目になるのか、振り分けてから各マニュアルを作るようにしましょう。

4.マニュアルの目次と本文を作成する

各マニュアルと業務の内容が分類できたら、目次を作ります。どのような並びでマニュアルを作ればいいか、目次を見れば大体の流れがわかります。目次を作った段階でわかりにくいマニュアルは、本文を書いてもわかりにくいままです。マニュアルの目的に合った目次になるように何度も見直しましょう。

目次が書かれたら本文を作成します。基本的な業務の内容はすでに挙げているので、本文をより具体的に記述する必要があります。また文字だけだと読むのが嫌になってしまう場合もあるので、図や画像などをうまく入れながらマニュアルを作るようにしてください。

5.マニュアルの改善点を考える

マニュアルが一通り完成したら、改善点がないかもう一度見直します。基本的には管理職がマニュアルを作ると思いますか、マニュアルを使うのは一般的なスタッフです。そのためスタッフに見てもらってから、マニュアルとして配布するようにしましょう

またマニュアルについては、一度作ったら終わりではありません。開店してから日数がたてば、飲食店として変わらなければならない部分も出てくるはずです。変更すべき内容もマニュアルに追加していくことで、優れたマニュアルが作成できるでしょう。

業務フローマニュアルで必要な要素・項目

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業務フローマニュアルで必要な項目は以下のものになります。

・各役割と業務内容

各スタッフからどのような役割があるのか簡単に先に説明しておきます。またそれぞれの役割においてどのスタッフがリーダーであるのか明確にしておけば、分からなくなった時に聞きに行けるので大変便利です。

・清掃業務フロー

製造業務の一連の流れについて記載しておきます。清掃業務の場合はどの場所を清掃するというだけではいけません。具体的にどのような洗剤と掃除道具を使って、どこまで掃除すればよいか、その基準を明確にしておきましょう

たとえばテーブルの拭き方一つとっても人によって大きく違います。飲食店としてどのようなテーブルの拭き方が正しいのか、明記しておく必要があるでしょう。

・開店時と閉店時の業務フロー

開店時と閉店時の業務フローも書いておきます。開店後にまず何をすればよいのか、その手順を書いておくと、最初にお店に入った人がやるべきことはわかります。また閉店時にもやるべきことをしっかりと明記しておきましょう。

・POSレジなどのシステム使い方

最近では POS レジなどのシステムを利用している飲食店が多いです。 POS レジの使い方やセルフレジの知識などは実際に使ってもらうのがよいですが、マニュアルにも記載されていることで復習しやすくなります。こちらも簡単な使い方をマニュアルに書いておく方がよいでしょう。

・出退勤の記録の仕方

まずお店に来た時には出勤のチェックをしなければいけません。最近はタイムカードではなく、システムを利用した出退勤管理をしているところも多いです。どのシステムも簡単に管理できるようにはなっていますが、使い方を写真入りで紹介しておいた方がわかりやすいでしょう。

接客マナーマニュアルで必要な要素・項目

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ホールやレジで必要な接客マニュアルにおいて必要な要素は以下の項目になります。

・身だしなみ

接客で重要なのは身だしなみ、服装です。どのような身だしなみで接客したらいいのか明確にしておきます。ユニフォームなどもあるかもしれませんが、その洗濯を各自行うのか、お店で行なって貸し出すのかなど細かい部分も書いておくべきでしょう。

・お店の接客ルール

接客ルールは過去お店によって大きく違います。お店としてどのようなルールで接客を行っているのか、その基本的なルールを明記しておきましょう。

・正しい日本語・言葉遣い

接客の際にどのような言葉を使うか大変重要です。正しい日本語を使えるように、接客用語についてもマニュアルに記載しておきます。とくに敬語は難しいので、マニュアルに書いておきましょう

・店内での案内とメニューの渡し方

お客様が入ってきたらどのように席まで案内するのか、その手順についても書いておきます。お迎え時の対応はとくに重要なので明記します。またメニューの渡し方の重要です。

ただ開いてメニューを渡すというだけでなく、「おすすめのメニューはこれです」と一言いうだけでもお客様の反応が違うでしょう。こうした対応は料理を変えることで、内容も変わる可能性があります。そうした接客ルールも書いておきましょう。

・注文を取る際に注意点

注文を取る際にはどのように接客をすればよいか、記載しておきます。席に着いてすぐに注文は取れませんよね。注文を取るタイミングや、まだ注文が決まっていないお客様にはどのように対応すればよいか、マニュアルに記載しておきましょう

・料理を出すときに注意点

料理を出す時にも無言で出すわけにはいきませんよね。お客様のどちら側から出すのか、料理の向きはどの向きが正しいのか、お辞儀の仕方はどうすればいいかなどを明記しておきましょう

・会計での注意点

会計時にどのように対応するか明記しておきます。お金のもらい方、渡し方だけでかなり対応が違います。お店として正しいやり方を書いておきましょう。

キッチンマニュアルで必要な要素・項目

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キッチンマニュアルで必要な要素は、以下の3つです。

・料理を作る工程

料理を作る工程について詳しく記載しておくべきです。材料や調味料の分量だけでなく、気をつけるべきことも書いておけば間違いはないでしょう。またなるべく簡単に作れるように、料理の工程を簡素化しておく必要もあります。

・食材管理

飲食店の場合、食材を仕入れた後にしっかりと管理しなければなりません。管理が悪いと食材が傷んでしまい、料理の味が悪くなってしまいます。食品衛生の意識が低く、食中毒を起こしてしまうと大きなマイナスになります。食材によって管理の仕方が違いますので、詳しくマニュアルに書いておきましょう。

・キッチンの管理・清掃

キッチンは料理を作った後は清掃しなければなりません。調理器具の清掃方法や管理の仕方についてしっかりと明記しておきましょう。

トラブル対応マニュアルで必要な要素・項目

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飲食店は接客業でありますので、トラブルも少なからずあります。トラブルに対して事前に予想しておけば、問題なく乗り越えることもできます。そのため考えうるトラブルに関してはマニュアルに記載しておきましょう。

・クレーム対応

飲食店の場合、どうしてもクレームがあります。中にはお店の責任じゃないクレームもあるでしょう。しかしそうした場合でも、感情的にならないで落ち着いて言葉を選びながら対処する必要があります

こうしたクレーム対応の方法について、マニュアルに記載しておき、スタッフの中で共有しておきましょう。

・予約のミス

予約のミスで席が確保されていなかったり、他のお客様と同じ席を予約してしまうこともあります。とくに忙しい時の電話予約はそうしたミスが起こりがちです。ミスが起こらないようにオペレーションをする必要がありますが、それでもミスが起こってしまう場合もあります

そうした場合の対処法についてマニュアルにしっかりと書いておきましょう。

・食材がない・届かない

飲食店を長くやっていると、食材がなくなってしまったり、届かなかったりすることもあります。そうした場合にどのように対処すればよいか、マニュアルに書いておきましょう。

近くのスーパーで手に入るものがあればそこで購入するなど書いておけば、緊急時に対応できるはずです。

・スタッフの欠員

急にスタッフが病気になったり、来られなくなったりすることはあります。そうした場合にどのようにすればよいのか、どこの役割のスタッフを減らして、どこに移せばいいのかなどマニュアルに書いておきましょう。

・店長がいないとき

飲食店では店長がいない時もあります。そうした場合に誰が責任者になるのか、また店長がいない時に問題が起こったらどうすればよいか、緊急連絡先も含めてマニュアルに書いておきましょう。

・災害時の対処

災害が起こったときに、どのように対処すればいいかもマニュアル化しておきます。火事なのか地震なのか、災害ごとにしっかりと対処法を書いておきましょう

マニュアル作成時の注意点

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マニュアルを作成する際の注意点は以下の3つです。

・マニュアルだけに縛られない

マニュアルは非常に大事ですが、マニュアルだけに従って接客していては、お客様を満足させられません。接客業の基本としては、お客様に対しておもてなしの心で接することです。

マニュアル通りにするのではなく、マニュアルを踏まえて自分なりにお客様のことを考えて、顧客視点で対応するようにしましょう。そしてその対応またマニュアルに記載しておけば、今後、他のスタッフの役にたつはずです。

・定期的に見直しする

マニュアルはいちど作ってしまえば、終わりではありません。お客様が変われば、対応も変わるはずです。また現場の意見を踏まえると、マニュアルを見直さなければならないところも出てくるでしょう。

マニュアルの見直しにはお客様の意見も大事です。自分たちがよいと思って行ったサービスが、かえってお客様にとっては迷惑になってしまう場合もあります。こうしたお客様の声を踏まえた見直しも必要になってくるでしょう。

・お店でいつでも見られる状態にしておく

マニュアルを作ると渡して終わりになりがちです。マニュアルは定期的に見直せるようにすべきです。そのためスタッフが集まる場所に、必ず見られる状態で置いておくようにしましょう。

マニュアル導入にあわせて業務効率化にも着目

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マニュアルは今までの飲食店の業務をスタッフが共有できるようにするために、必要なツールでした。たとえばレジ業務やホールスタッフの業務が、誰でも同じように行えます。

ただしマニュアルを作ったとしても業務そのものが減るわけではありません。そのため業務を効率化するためには、システムを導入してレジ業務やホールスタッフの業務を減らす必要があります。

レジ業務やホール業務を減らすためには、POSレジやセルフオーダーを導入するのがオススメです。こうしたシステムを導入することで、業務効率化につながります

しかしPOSレジやセルフオーダーのシステムはたくさんあるため、どれを選べばいいのかわからないという方も多いでしょう。そこで数あるPOSシステムの中でもお勧めしたいのが有償POSレジで国内トップクラスのシェアのクラウド型モバイルPOSレジ「POS+(ポスタス)」です。

「POS+」は、店舗の売上向上や店舗運営担当者の業務負担軽減による生産性向上を実現し、また従業員にとって利便性の高い機能を搭載する店舗向けソリューションです。

今まで大変だった業務も、システムで置き換え、マニュアル化して飲食店の業務効率化を図っていきましょう。

「POS+」についてより詳しく知りたい人はこちら

まとめ

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ここまで飲食店のマニュアル作成のポイントについて説明してきました。マニュアルを作ることで、スタッフ全員がお店の価値観を共有できます。マニュアルを導入するだけで業務効率化の効果もありますが、システムを導入すれば、さらに効果が出ます

業務をマニュアル化する機会に、システムを導入し、同時に業務効率化を図るのもよいのではないでしょうか。

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