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キャリアコーチングでミドルマネジメントの負担が増え続ける悪循環を解消する。『hanaseru』が実現したい世界とは

「ミドルマネジメント層がはたらきすぎてしまう状態は、構造的な社会問題だと思っています」と話すのは、パーソルイノベーションのマネジメント向けキャリアコーチングプログラム『hanaseru』の事業責任者、山口 知恵(やまぐち ちえ)さん。

『hanaseru』では、組織の核となるミドルマネジメント層にキャリアコーチングを提供することで、個々の悩みの解決だけでなく、コーチング体験を活かしたマネジメント力の底上げへ寄与しています。

今回は、山口さんに『hanaseru』立ち上げの原点やサービスの特徴、導入企業の成果などを聞きました!

(聞き手:インキュベーション推進部 グロース支援 人事・採用室 小林 日奈子

山口 知恵
人材派遣会社にて派遣スタッフの登録・面談業務を2年経験。その後、ゲームメーカーでの役員秘書を経て、2012年7月、パーソルテンプスタッフに入社。派遣スタッフのコーディネート業務および営業を約6年経験した後、約2年新規事業の企画職として活躍。2020年7月、パーソルイノベーションにジョイン。マネジメント層向けキャリアコーチングプログラム『hanaseru』を立ち上げ、事業運営に奔走中。

※所属部署・役職は2022年5月時点のものです。

ミドルマネジメント層を伸ばすキャリアコーチング

――『hanaseru』は、どんなサービスなのでしょうか?

ミドルマネジメント層(部長・次長・課長)を対象にしたコーチングプログラムで、法人にご提供しています。

キャリアコンサルタント有資格者のベテランコーチによるキャリアコーチングを通して、自己理解を深めて行動変容につなげたり、コーチング体験をメンバーマネジメントに活かせるように設計しています。

『hanaseru』が個人向けのオンラインコーチングサービスと異なるのは、企業の継続的な組織づくりにフォーカスを当てている点です。キャリアコーチング自体は一対一の個別対応で行いますが、一過性のアドバイスやコーチング代行サービスとは位置付けていません。

コーチングを通じてマネジメント層の対話スキル向上を支援し、そのうえで、メンバーの自律を支援するマネジメントができるようにサポートしています。

また、1社あたり複数名(20名~)の管理職にご提供しているのも特徴です。皆さんで共通テーマを持ってプログラムを受けられるので、一人で受けるよりモチベーションが維持しやすいのが利点ですね。

――ミドルマネジメント層を対象にしたのは、なぜでしょうか?

組織には各階層・役割によってそれぞれ悩みや課題があります。ですが、その中でも特に、ミドルマネジメント層が抱える課題はかなり根深いと実感しています。

たとえば、事業KPIの達成に向けたミッションをこなしながら、人材マネジメントも必要とされたり。またプレイングマネージャーとして現場業務をこなしながら、マネジメントを担うケースもありますね。

業務の質・量ともに求められる結果、常時逼迫した状態で疲弊してしまう。ミドルマネジメントの「はたらきすぎ」問題は、今や社会問題として認知されています。

こうした課題を解決していきたいという想いが、『hanaseru』のサービス作りの土台になっているんです。コーチングを通して、組織の核であるミドルマネジメント層が変化すれば、組織全体にも波及していくと考えています。

職場で感じた後悔が、事業立ち上げの原点

――山口さんには、事業立ち上げにつながる原体験があると聞きました。

そうですね。以前の職場での少し苦い体験が、事業立ち上げのきっかけになっています。

ある日、私が1日の仕事を終えて帰り支度をしていると、ある同僚の姿が目に入りました。時間は22時くらい。そんなに仲が良いわけではないけれど、ときには雑談もする間柄の男性メンバーでした。

いつもだったら「お疲れさま!」と声をかけていたと思うのですが、ただ、その日は声をかけませんでした。なんだか一生懸命テキストを読んでいる横顔を見て「大変そうだな」と感じて、遠慮したんです…。

でもその日を最後に、彼の姿を見ることはありませんでした。翌日から会社に出社できなくなり、結果的に退職してしまったのです。

私が長年携わっていた派遣事業の現場では、派遣スタッフさんに長く就業していただけないという問題をよく耳にしておりました…。この問題を「よくあること」として慣れてはいけないとこの時感じました。

誰にもちゃんと話せずに辞めていくのは、本人も会社側もつらい。周囲にいる誰かが、膝をつき合わせて彼の話を真剣に聞いていたら、急にいなくなる状況は防げたのではないだろうか。この事態を抜本的に解決できれば――そんな課題意識が私の中に残りました。

――だからこそ、傾聴や対話を重視するコーチングという手法に着目したのですね。

はい。マネージャーがメンバーの本音に寄り添う傾聴力や、対話を通した関係構築力を身に付けたら、メンバーはより自律的に活躍できるようになると思っています。

そのためには、まずはマネージャ―自身が抱える悩みを解消し、自身の強みや方向性を明確にすることが先決です。

『hanaseru』をご提供する中で感じたのは、想像以上に「自分の状況を誰にも相談できない」と苦しまれているマネジメント層が多いということ。孤独になりやすい立場だからこそ、コーチングが「壁打ち」のように機能して、良い影響を与えているのだと思います。

本質的なニーズは、組織変革への危機感にあり

――『hanaseru』のお客様はどんな課題を抱えていて、サービスの導入に至っているのでしょうか?

『hanaseru』は、中小から大手企業まで幅広く導入いただいているのですが、本質的な課題は共通していると感じます。

当初は、コロナ禍でのリモートワーク普及による社内のコミュニケーション不足などが契機になると想定していたのですが、実はあまり関係がありませんでした。

企業様の多くは「これまでの組織のあり方を脱して、変革していかなければならない」という危機感を持っています。その旗振り役がミドルマネジメント層だと考えているのですね。

特に、創業歴の長い成熟した企業様ほど内部の体制を変える難しさを実感していらっしゃいます。スタートアップなどのアーリーフェーズの組織では、現状に合わせた制度を設計しやすいと思うのですが、成熟企業の場合はなかなかそうはいきません。

また、「マネージャー向けに集合研修や個別フォローアップを実施しているけれど、成果に結びつかず、他に打ち手がなくなってしまった」とご相談されるケースもあります。既存の育成手法に限界を感じている企業様には、『hanaseru』の独自性に魅力を感じていただいていますね。

――導入後には、どんな成果が出てきていますか?

導入企業アンケートで調査したところ、ある大手人材サービス企業の人事企画部の管理職14名に3カ月間『hanaseru』をご利用いただいた結果、71%がサービス利用前に比べて「キャリア自律への能動的行動」のポイントがアップしました。

キャリアコーチングを通して、自らの課題を言語化し、自己理解を深めて、ミッションを意識した行動変容までつなげられていることが分かりました。

自律したメンバーと、サービスを育てていきたい

――今後のサービス展望を聞かせてください。

将来的には、1万ユーザーを目指したいと考えています。ユーザー数が拡大すればするほど、集まったデータの分析を通して、サービス改良につなげられるでしょう。

また「はたらいて、笑おう。」をビジョンとするパーソルグループだからこそ、『hanaseru』を提供する意義は深いと思っていて。はたらく人たちの課題解決に注力して組織を変えていくことに、これからもコミットしていきたいですね。

そのための一つとして、今はマネジメント層に特化していますが、他の階層向けにも応用できる可能性も広がっていくのではと思っています。

――事業成長に向けて『hanaseru』チームも新しい仲間を募っていますね。どんな方と働きたいと思いますか?

組織はこれからさらに拡大していく予定で、特に今はカスタマーサクセスの採用を強化しています。

他にも、現在30名ほど契約しているキャリアコーチの方ももっと増えてほしいですね。キャリアコンサルタントの有資格者が、自律して活躍できる環境を作れればと常々考えていて。これも私の目標の一つとして、事業拡大を目指していければと思います。

どんな職種に限らず、自分で決めたことを最後までやり抜き、未来軸で物事を考えて語れる方たちと事業を育てていきたいです。失敗含めて悩むこともありますが、そこを突破できることに面白さを感じられるかどうかを大事にしています。これからたくさんの仲間と出会えることを楽しみにしています!

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