営業担当者から事業責任者に。『lotsful』代表が語るキャリア転換ストーリー
パーソルグループには、社員一人ひとりが描くキャリアデザインの実現に向け、グループ企業のさまざまなポジションに異動希望を出すことができる「キャリアチャレンジ制度」があります。その制度を活用し、多くの人材がパーソルイノベーションにジョイン。パーソルグループのビジョン、『はたらいて、笑おう。』につながるサービスを数多く生み出しています。
こんにちは!パーソルイノベーション ビジネス推進部 採用室の小林 日奈子です!
今回ご紹介する田中 みどりさんは、新卒でインテリジェンス(現、パーソルキャリア)に入社。キャリアチャレンジ制度を使ってオープンイノベーションのマッチングプラットフォーム『eiicon(※1)』の立ち上げに携わり、その後、自身が設立した副業人材マッチングサービス『lotsful』で事業責任者を務めています。
インテリジェンス時代は法人営業に従事し、新規事業開発は“やりたくないリスト”に入っていたという田中さん。そんな田中さんがなぜ、自身で事業を立ち上げたのか、その裏にはどんなエピソードがあったのか。田中さんのキャリアストーリーに迫ります!
※1『eiicon』は2023年4月6日にMBOにより別会社化しております。
※所属部署・役職は2024年7月時点のものです。
新規事業開発への打診。第一声は“やりません!”
―― 田中さんはインテリジェンスと『eiicon』を経て、現在『lotsful』の事業責任者を務めています。これまでのキャリアや新卒で人材業界を選んだ理由を教えてください。
インテリジェンス時代は転職支援の法人営業に従事し、主にIT・インターネット業界のベンチャー企業を担当していました。よく人材業界に興味があったの?と聞かれるのですが、学生の頃は「これがやりたい」という軸がはっきりあったわけではなく、漠然と「人の人生に深く関わるものに良い影響を与えられたらいいな」と思っていました。
それが仕事なのかお金なのか、それとも家なのか…。悩みながら就職活動を行っていたのですが、活動を進めていくうちに「社会人になったら人生の大半を占めるのが仕事。自分らしくはたらける人を増やすことに携わりたい」と考えるようになり、人材業界を選びました。
―― では、法人営業に従事する中、どんなきっかけで『eiicon』に参画することになったのですか?
インテリジェンス入社時からのメンターであり、『eiicon』のファウンダーである中村 亜由子さんに声を掛けていただいたのがきっかけです。でも実は、一緒にやらないかと誘われた時の私の第一声は「やりません」だったんです。当時の私は人材支援の仕事が「天職だな」と思うくらい大好きだったし、とてもやりがいを感じていました。何より、自分の“やりたくないリスト”に新規事業開発が入っていたほど、自分にゼロイチは向いていない、できないと思っていたのです。
ただ、当時私が担当していたお客さまの多くが人事担当者のいないベンチャー企業。経営者の方と直接お話をする中で、事業や経営についての考えを教わる機会も多く「人材マッチングの支援だけでなく、事業や経営にまで踏み込んだ支援がしたい」と考えるようになっていました。
―― その想いが新規事業開発への挑戦を後押ししたのですね。
そうですね。『eiicon』を通じて中村さんが実現しようとしていたのは、企業間の連携をもっとスムーズに手段として活用できるようになることで新たな事業やイノベーションを生み出し、事業を成長させること。私自身がやりたいこととも重なる部分があるのかなと思ったら、自然と「やってみよう」という方向に意識が切り替わっていました。
本当にやりたいのは「人の可能性を広げること」。『eiicon』で得た大きな気づき
―― 『eiicon』では、新規事業開発にどのように向き合っていたのですか?
私が『eiicon』にジョインしたのは、事業化の承認が下り、ちょうど組織が組成されるタイミング。まだサービスが出来上がっていない状態でした。だから「まだサービスはないのですが!!」と言いながら最初の顧客集めとサービスづくりに走り回る日々。正直初めのうちはうまくいかないことも多くつらくて、「やっぱり自分には向いてないな」という思いが頭をよぎることが何度もありました。
でも、同時にこのつらさは「次に見えてくるものをつかむまでの過程」でしかないと考える自分もいました。だからこそ、その先に見えるであろうステップを想像しながら、今を工夫し、自分なりに面白さを見出すことが大切だと思っていて、私の場合は、顧客の声に耳を傾けることを積み重ね、少しでも自分ができることに意識を向けることで乗り越えていきました。
その1つが「学び」。私はインテリジェンス時代にベンチャー企業を担当していたこともあり、『eiicon』のお客さまでもある老舗の大企業と接する機会はほとんどありませんでした。これまで知ることのなかった大企業の“リアル”を知れる、そこから見えてくる社会構造や解決すべき課題に触れられる、それも役員クラスの方から直に話を聞ける。そうした学びや気づきがモチベーションになっていた気がします。
今思うと、そんな私の知的好奇心や使命感が苦手意識からの解放につながったのかなと。さまざまな話に触れ学びを得るうちに、お客さまの困っていることと私たちのサービスがフィットしているなと感じ始め、そこからは自信を持ってサービスを考え、ご提案できるようになっていきました。
―― 『eiicon』での仕事を通じて起きた変化が『lotsful』の構想につながっていったのですね。
そうですね。私自身が変わっていく中、大企業の方たちの変化も何度も目の当たりにしました。スタートアップに出向し、戸惑いながらも人が変わったかのように仕事に取り組む方、リスクばかり気にしていたのに攻めの姿勢に変わった方。自分のできることが広がってイキイキとはたらく姿を見ているうちに、そこに心からの喜びや興味を感じる自分がいることに気づいたんです。私自身が本当にやりたいことって、やはり「人の可能性を広げること、“らしさ”を見出すこと」だったんだと腹落ちした瞬間でした。
『lotsful』の立ち上げを後押ししてくれた2つのこと
―― では、そこから『lotsful』の設立までにどんなストーリーがあったのですか?
先ほど、大企業の方の変化についてお話ししましたが、それはスタートアップの方々も同じ。大企業ではたらく異色の人材が1人入ることでたちまちブレイクスルーしていく姿も目にし、「事業と人の成長のきっかけって良い形でもっと増やせそうだな」という考えが頭の中に浮かんでいました。
その想いを何気なく中村さんに話したところ、「それ事業にしようよ!」と即答されたんです。一方、私はというと、想いはあるものの自分が事業をつくることまでは全く考えていませんでした。
そんな私をよそに「たたきをつくろう!どんなことを大事にしたいの?」と私から話をぐいぐい引き出し、ベースの構想を一緒にアウトプットしてくれた中村さん。それも移動中の新幹線の中。私の「転職を介さずとも、新興のサービスや新しい産業に関わることで大企業に眠る“隠れた実力者”がもっと活躍できるんじゃないか」という想いをベースに、副業人材のマッチングサービスという事業の構想が固まっていき、気づいたら2人の連名で『Drit(※2)』に応募していました。
―― 新幹線の話は『lotsful』のnoteでも読んで知っていましたが…そんなやり取りがあったのですね!
正直言って、私1人だったら前に進んでいなかったし、もしかしたら『lotsful』は生まれていなかったかもしれません。それが、実際に事業の立ち上げ経験のある人がすぐ隣にいて、自身の経験をもとに「できるよ!」と言われたら何だかできる気がしてきて。やりたい気持ちがどんどん膨らんでいきました。
もちろん、社内の事業という点も新規事業開発への挑戦を後押ししてくれました。『eiicon』へのジョインを決めた時にも思ったのですが、自分が慣れ親しんだ環境でチャレンジできるのは精神的にも大きなこと。周囲のサポート、そして『Drit』という制度があったからこそ『lotsful』へのチャレンジが実を結んだのだと改めて実感しています。
※2『Drit(ドリット)』:パーソルグループではたらく誰もが「自らの描くはたらく」を実現できるインキュベーションプログラム。詳しく知りたい方はこちらの記事を参照ください。
苦労があったからこそ理解できた自身の役割
―― 周りのサポートや制度があったとはいえ、新しいサービスをゼロからつくり上げていくには苦労もあったのではないでしょうか?
『eiicon』の立ち上げに携わったとはいえ、当時私がジョインしたのは事業化の承認が下りた後。その前のプロセスは初めての経験だったので、正直苦労もたくさんありました。
でも、やると決めたからには構想した世界を絶対に実現したい。『eiicon』での仕事に取り組みながら、実際に友人の会社で副業を経験してみるなど、出会う方々の声や生の課題に触れながら事業プランをブラッシュアップしていきました。
とはいっても、「こんなサービスがあればいい!」だけでは通用しないのが新規事業開発。副業市場にはどれくらいのポテンシャルがあって、それに対して『lotsful』はどんなオリジナルな価値提供や課題解決ができるのか。会社に「この事業に投資する」という判断をしてもらえるよう考えに考え抜き、また多くの方にアドバイスをいただきながら進めていきました。
―― では、事業化の承認が下りてからはいかがでしたか?
プロダクトづくりや顧客検証のプロセスなど、『eiicon』で経験したことを活かせるな、流れは一緒だなと思ったものの、やはり自分の専門外の実務は分からないことだらけ。当初は、開発やマーケティングにおいて、何が分からないのか分からない、だからうまく質問もできないというもどかしさもありました。
でも、進めていくうちに気づいたのが、私の役割は専門知識を深めることではなく、その道のプロに自分が描く未来を伝え、返ってきた答えから何が最適なのかをジャッジし戦略を描き、実行に導くこと。もちろん、対等な会話とジャッジができるだけの基本的な知識は必要ですから、勉強もしたし、伝えたいことを伝える言語化にも時間を費やしました。何よりも顧客と対話する時間を優先し、事業の解像度を高めていきました。
幸いにも、副業人材マッチングサービスという事業の特性上、『lotsful』には各分野の専門家が数多く登録してくれていたので、業務委託や副業という形で協力していただき、今でもさまざまな面からサポートしていただいています。多様な分野のプロと仕事を進めていくうちに、“自分にできないこと”ではなく“自分にしかできないこと”に目が行くようになり、スムーズにマインドチェンジできるようになったのも、事業づくりを通じて得られた大きな成果なのかなと感じています。
事業としても、毎年数百%の成長を続け、早々に黒字化を達成することができました。現在は、『lotsful』の出発点であるマッチング事業にとどまらず、企業の副業解禁支援や社内・グループ間副業支援など多様なソリューションを展開し、ご支援できる幅が大きく広がっています。
「個人のやりたい」と「組織のミッション」を両取りできる組織に
―― 事業が成長する過程で、責任者が果たす役割やどんな苦労が出てくるのかがよく分かりました。『eiicon』が法人化しどんどん大きくなったように、『lotsful』もさらなる拡大に向け挑戦が続きます。組織づくりで大切にしていることはありますか?
先ほど、私が本当にやりたいのは「人の可能性を広げること」だとお伝えしました。それはお客さまに限ったことではなく、私たち自身にも言えること。メンバー一人ひとりの可能性をより発揮できるような環境をつくりたいと思っています。
一方で、同じ組織ではたらくということは、同じミッションを共有する集団でもあるということ。一人ひとりがやりたいことを実践できる環境があるのはもちろん大切ですが、組織である以上、同じゴールに向かって一緒に進んでいくことでパワーが最大化されるものです。
個人の可能性をどう活かし、組織のミッションをどう達成していくのか、どう事業に反映していくのか。それを考え、実行していくのが組織を率いる私の役割。「個人のやりたい」と「組織のミッション」を両取りできる、そんな組織を目指しています。
―― 『lotsful』には、今後もさまざまなキャリアや可能性を持った人材が集まってくると思います。最後に、『lotsful』への応募を検討している方にメッセージをお願いします。
前回のインタビューでもお伝えしたように、正社員の副業市場は立ち上がり段階で、こうすべきという正解がまだ確立していません。また、現在の労働市場は何十年もかけて出来上がったもの。文化や慣習もあり、私たちが向き合う課題は数年で解決できる簡単なものでもありません。
その中で、今は正社員の副業、すなわち“キャリア副業”という新しいはたらき方を提唱しているタイミング。課題解決に向けやるべきことは山積みで、新しい課題もどんどん出てきます。私はそこにこそ『lotsful』ではたらくことの面白さがあると思っています。
正解がない中で課題に向き合うこと、文化をつくっていくことに面白さを感じられる人、そして『lotsful』のミッションに共感してくれる人たちと一緒に、「キャリア副業が当たり前の世界」を実現していきたいですね。
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『lotsful』では一緒にはたらく仲間を募集しています。少しでも興味をお持ちの方は、ぜひこちらからエントリーください!
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