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「はたらく」と「学ぶ」の懸け橋。『リスキリングキャンプ』が描く未来と実現に向けた戦略とは?

2021年7月に『学びのコーチ』としてスタートした『リスキリングキャンプ』。伴走型のリスキリング支援サービスとして存在感を強める中、高まるリスキリングへのニーズを追い風に、サービス開始から3年足らずで累積損益の黒字化を達成するなど順調な成長を遂げています。

こんにちは!パーソルイノベーション ビジネス推進部 採用室の小林 日奈子です!

今回ご紹介する『リスキリングキャンプ』は、2024年2月にサービス名称を変更し、新たなスタートを切りました。さらなる成長に向けどんな戦略を描いているのか。事業責任者の柿内 秀賢(かきうち ひでよし)さんに語っていただきました。

※所属部署・役職は2024年2月時点のものです。

多様化するニーズに寄り添い、顧客の成功にコミットする

―― 柿内さんには1年前にもnoteに登場していただき、事業を取り巻く環境やはたらく環境について教えていただきました。その後、リスキリングへの注目度がますます高まっていますね。サービス名称の変更という大きな動きもありましたが、サービス内容にも変化はありましたか?

前回のインタビューでお伝えしたように、サービス開始当初はクラウドの資格取得を中心とするカリキュラムを提供し、その後は自社での育成や中途採用での確保が難しい職種の育成カリキュラムを展開するなど、お客さまのニーズに応えられるサービスへと進化を続けてきました。

そこから約1年。リスキリングへの注目度の高まりとともにお客さまのニーズが多様化し、それに伴い私たちが取り組むテーマも変化しています。たとえば、機械系の技術者からIT系の技術者への職種転換を進めたいという企業もあれば、営業職からITコンサルタントに転換していきたいという企業もあります。また、「より売れるビジネスをITの力でつくる。そのために営業パーソンがデータ分析スキルを習得する」というニーズも出てきました。

こうしたお客さまのニーズに寄り添い、目的を達成する。つまり、成功にコミットするのが私たちの役割。マインドセットとスキルセットの両面で着実なスキル習得を支援するという自分たちのケイパビリティが「はまっている」と感じられる取り組みがどんどん増えています。

リスキリングの社会実装。サービス名称変更に込めた想い

―― IT人材不足が深刻化する中、今後もさまざまなニーズが出てくると思います。そのニーズをとらえ、事業の成長につなげていくためにどのような戦略を描いていますか?

まず、リスキリングの背景にある社会課題を説明すると、今の日本ではIT人材不足が叫ばれる一方、事務職や生産職の供給過剰による「雇用のミスマッチ」が問題視されています。

三菱総合研究所の試算によると、2030年に事務職は120万人、生産職は90万人が過剰になると見込まれています。それに対し専門技術職は170万人の不足が予想されていて、IT人材においては既に数十万人規模で足りていないのが実情です。有効求人倍率も高い水準で推移しています。

こうした状況の中でパーソルグループのビジョン『はたらいて、笑おう。』を実現していくには、私たちが「はたらくこと」と「学ぶこと」の橋渡し役となって雇用のミスマッチを解消していかなければなりません。その推進に向け、『リスキリングキャンプ』では『はたらくと学ぶの懸け橋になる』というミッションを掲げています。そして、このミッションを達成するためのビジョンが『リスキリングの社会実装』であり、私たちはその実現を目指しています。

―― リスキリングの社会実装とはどういうことですか?

昨今、事務職を中心に「AIに仕事を奪われる」という懸念の声があがっていますよね。また、世の中ではガソリン車から電気自動車に変わっていく、Appleが銀行業に参入したなど、さまざまな変化が起こっています。

事務職の役割や技術者に求められるスキルがどう変わっていくのか、銀行の統廃合が進んだら従業員はどうなるのか。もしかしたら、失業する人が出てくるかもしれません。こうしたBadシナリオをなくしGoodシナリオを実現することが、リスキリングの社会実装だと私たちは定義しています。

―― 具体的にどんなGoodシナリオが考えられますか?

たとえば、事務の仕事と一口に言っても組織によってプロセスやルールは異なります。AIは完全ではありませんから、各組織に最適化された業務フローを確立するにはAIのコーディネーターのような仕事が必要になってくるでしょう。そうなると、AIの知識だけでは不十分。「事務に精通しているAIエンジニア」という職種が生まれるかもしれません。

これは自動車だって金融だって同じ。今はセーフティネットがないから「職を奪われる」というネガティブな話になっているのであって、リスキリングによって新しい仕事やよりやりがいを感じられる仕事につける可能性が高まります。こうしたセーフティネットが張り巡らされた世の中にする。これがGoodシナリオであり、その実現法がリスキリングの社会実装なのです。

―― 新しいサービス名称である『リスキリングキャンプ』にも、その想いが込められているのですね。

はい。従来の名称である『学びのコーチ』は、その名のごとく「学びというのはコーチング。これからはティーチングではなくコーチングの時代だ」というこだわりが前面に出ていました。しかし、世の中が大きく変わる中で「リスキリングの社会実装が必要である」と定めた以上、『学びのコーチ』も前に進む必要がある。そんな想いから『リスキリングキャンプ』に変更しました。

『リスキリングキャンプ』が大切にしている3つのこと

―― では、ミッションやビジョンの実現に向かう中で、どのように事業を推進しているのですか?

事業の推進に当たって私たちが大切にしていることは3つあります。1つ目がプロダクト、2つ目がオープンであること、そして3つ目がレバレッジを効かせることです。

まず、プロダクトについてですが、私たちは事業開始当初から「ティーチングではなくコーチングで学んでいこう」というコンセプトのもとでプロダクトをつくっています。

ここで重きを置いているのが、いかに再現性を持たせるかということ。多くの人たちが新しいスキルを身につけ仕事をしていかなければならない社会になることを考えると、再現性は必須。また、「テクノロジーが苦手だな」「正直興味ないな」という人でも確実にスキルを習得し、新しい仕事で活躍していける枠組みをつくらなければなりません。製品という意味のプロダクトではなく、再現性を担保できる枠組みとして、私たちはコーチングを軸としたプロダクトづくりに取り組んでいます。

―― 2つ目の「オープンであること」とはどういう意味でしょうか?

専門家が監修することで良質なカリキュラムを提供できるのが『リスキリングキャンプ』の強みです。とはいえ、リスキリングの目的が資格取得なのかプログラミング技術の習得なのか、あるいはITコンサルタントへの職種転換なのかで学び方は異なり、スキルごとに最適化されたカリキュラムをつくるには、さまざまな分野の専門家に協力していただく必要があります。

私たちは、事業開始から数年の間でカリキュラムを研究するチームをつくり上げてきました。このチームには、ITコンサルタントやスタートアップのCPO(Chief Product Officer)など社外の専門家が数多く参画しています。社内外を問わないオープンな形でチームをつくり、それぞれの分野に最適な学びを提供できる体制を構築しているということです。

また、こうした私たちならではの価値をお客さまに届けていくうえで、伴走することやコーチングという方法論が先に来るのではなく、お客さまがどんな課題を感じているのか、それにどう応えていくのかということが先に来ます。

そこで重要になってくるのが、3つ目のレバレッジを効かせること。たとえば職種転換であれば、スキルの習得もさることながらマインドセットも大切になってきます。先生が教えて終わりではマインドまではフォローできず、お客さまのニーズに応えられないし課題も解決できません。自分たちができることをしっかりやってお客さまの価値に転換していく。そこに積極的にチャレンジするという考え方で事業を推進しています。

全てのメンバーが価値の創造者。全員で価値をつくり、届けていく

―― 外部の専門家の協力が欠かせない『リスキリングキャンプ』ですが、社内の人材もさまざまな場面で活躍しています。社内メンバーにはどんな役割を求めていますか?

一言で言うと「価値をつくる力」です。社内のメンバーは大きく営業部隊とカスタマーサクセス部隊に分けられ、私は一人ひとりに対し提供価値をつくることを強く求めています。

営業部隊は自分たちがつくった価値をお客さまに届けていくわけですが、その際、価値をいかにして訴求するかが重要になってきます。

たとえば「公開講座です。一人いくらです」では、価値の訴求はできませんよね。でも「御社の難しい運用オペレーションに対して、私たちはこんな価値を届けます」というように、プログラム全体で価値を訴求していくと、当然それはサービス価格にも反映されるし、その価格に見合うサービスだと思っていただければリピート率も高くなります。

また、カスタマーサクセスは受講生のフォローを運用する部隊。決して研修を滞りなく終わらせることが役割ではありません。お客さまにとっても、研修が無事に終わることがゴールなのではなく、100人受講したら100人がスキルを習得し、それを実務で活かしてビジネスに貢献していくことがゴール。そこを強くプッシュするのがカスタマーサクセスの役割です。

大人の学びは逃げられないくらいグリップすることが大切で、強力なオペレーションと強力な伴走が求められます。その中で、一人として脱落させないよう、全力でフォローしにいくのが『リスキリングキャンプ』。

ですから私たちの組織には、誰一人として“作業者”はいません。全員で価値をつくり、その価値の総和が売上となり、その価値を適切な人数でつくるからこそ利益が生まれ、事業として成長していくということです。

―― 『リスキリングキャンプ』がなぜ短期間のうちに黒字化を達成できたのか。その理由がよくわかりました。とはいえ、全員の意識を価値づくりに向けさせるのは簡単なことではないと感じます。

私たちは週に1回、全員が参加する事例共有ミーティングを開催し、お客さまの課題や実際に自分たちが提供した価値を共有しながら、「こんなことができるんじゃないか」といったディスカッションを行っています。

組織の垣根や役割を超えて場を共有し、意見を出し合うことによって日常の業務を作業にすることなく、価値創造に意識が向くようになるのです。

「考え抜くことができる人」と共にさらなる成長を

―― 今回のインタビューを通じて、「リスキリングの社会実装」実現への道筋が見えてきた気がします。

リスキリングが社会実装されている世の中を実現できたら、そのときは私たちの事業ってもっともっと大きくなっているはずです。ただし、それは何かあったら「私たちに任せてくれ」と言える状態であることが前提です。

その何か、たとえば今ある雇用が失われるといった事態が訪れるタイミングは、業界によって違ってくるでしょう。どんなタイミングでもどんな業界でも、きちんと受け止められるだけの実績をつくる必要があるということです。

そういった意味でも、まだまだ道半ば。私たちに任せてくれと胸を張って言えるよう、広報にも力を入れていくし、法人化も目指していきます。

―― 最後に、『リスキリングキャンプ』に興味を持っている方へメッセージをお願いします。

現在、『リスキリングキャンプ』では社外を含め約90人の人材が活躍しています。一人ひとりと接して思うのは、徹底的に考え抜くことができる人が私たちの組織にフィットするということ。物事を考え抜ける人は、会うたびにおもしろい話ができるし、お客さまが引き込まれるような話もできる。何より、エネルギーが備わっています。

誰にどんな価値を届けるのかを問い続け、考え抜くことができる人。そんな人と一緒に、リスキリングの社会実装を実現していきたいと考えています。

もう1つ、これは小林さんにもお伝えしたいのですが、noteを熟読して面接に来てくれる方って、本当に私たちの組織にフィットするんです。記事を通じて事業のつくり方や考え方に触れ、「この考え方好き。共感できる」という状態で応募してくれるからですよね。だから、パーソルイノベーションに少しでも興味がある方は、まずはnoteを読んで私たちについて知ってほしい。そして「パーソルイノベーション、熱いな」と思った方は、ぜひエントリーしてみてください。

―― noteには、パーソルイノベーションのさまざまな事業とそれを支えるメンバーたちの熱い想いが掲載されています。ぜひ目を通していただき、「もっとこんなことが知りたい」というリクエストがありましたらどんどんお寄せください!

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『リスキリングキャンプ』では一緒にはたらく仲間を募集しています。少しでも興味をお持ちの方は、ぜひこちらからエントリーください!

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