元事業オーナーが語る、シリアルイントレプレナーに必要な2つの資質
事業開発は簡単ではなく、新しく立ち上げても長く続けられるとは限らないものです。しかし、その経験は何物にも変えがたく、次の成功に向けた通過点と言えるのではないでしょうか。
こんにちは!パーソルイノベーション インキュベーション推進部 グロース支援 人事・採用室の小林 日奈子です!
今回お話を聞いた越智 聖人(おち まさと)さんは、2019年にアルバイトレコメンドサービス『omochi(オモチ)』の立ち上げに携わり、現在は事業オーナーの経験を活かして、社内の新規事業開発とマーケティング支援を担っています。
そんな越智さんに、パーソルイノベーションでシリアルイントレプレナーとして活躍する面白さを聞きました。
※所属部署・役職は2022年10月時点のものです。
事業アイデアの検証をくり返して到達した現在地
ーー越智さんはシリアルイントレプレナーになるまで、どのような経歴を歩まれたのですか?
詳細は前回のインタビューでお話ししたので、今回は簡単にお伝えしますね。DX領域のコンサルタントを経て、2017年にパーソルキャリアに転職しました。アルバイト求人サイトの企画に携わっていた際、ユーザーインタビューで耳にした課題から立案し、2019年にアルバイト・インターンのレコメンドサービス『omochi』を立ち上げました。
『omochi』は社会人経験がなく「何を基準に仕事先を選んだら良いのか分からない」学生に向けて、性格診断を元にその人の価値観に合ったアルバイト先やインターン先を提案するもの。試行錯誤して運営していたのですが、2022年3月にクローズしました。
当時、次に何をするかは自分の中で明確に見えていなくて。私自身に社内でのニーズがなければ、社外に出ることも考えていました。
ーーそれでも社内に残ったのはなぜだったのですか?
そんな私に声をかけていただいたことが大きかったです。代表の長井さんにある事業アイデアを提示され「興味ある?」と聞かれたのがきっかけでした。
非常に興味を持っていた分野だったので「あります」と答えたら、『omochi』をクローズした翌月から事業化の可能性を検討することになったのです。私自身も『omochi』の事業を応援していただいたパーソルへ恩返しをしたいと考えていたので、非常にうれしいお話でした。
そこから次々と検討するべき事業アイデアを提示され、一つひとつ実現可能か検証していく日々が始まり、気付いたら網羅的に新規事業全般を見ていました。
7月には、今のようにシリアルイントレプレナーの役割を担うようになり、現在に至ります。事業クローズしたばかりの私が、ゼロから考える自由度が高い業務に携わる機会をもらえたのは、本当にありがたいことですね。
俯瞰して勝ち筋がある新規事業の種を探す
ーー越智さんのミッションを教えてください。
次のパーソルグループの軸になるような新規事業を見つけ、企画立案・実行していくことです。
パーソルイノベーションでは、新規事業立案プログラムDritで事業アイデアを募集しています。やる気があるオーナーと事業アイデアを集める良い取り組みですが、事業内容が起案者の興味領域に限られてしまう側面がありました。
そこで私に求められるのが、パーソルグループとして、どこに新規事業のビジネスチャンスがあるのか、勝ち筋があるのかを俯瞰して捉えていくことです。
ーー具体的にどのような業務内容なのでしょうか?
日々世界中から発信されるニュースをデータ化し、資金調達などの情報から業界ごとのお金の流れを検証、必要に応じて深掘りして事業の種を探していきます。Drit発の事業とは異なり、起案者の興味領域に限定されることはありません。
他には、パーソルイノベーションで推進中の新規事業に対して、広報やマーケティングの支援も担っています。支援内容は事業によって異なり、戦略PRやリサーチ設計など実務的な部分を担うこともあれば、メンター的位置付けでコンテンツマーケティングの壁打ちを受けることもあります。
これまでの全経験を活かしてさまざまな事業と向き合う
ーーシリアルイントレプレナーの業務には、これまでのどのような経験が活きていますか?
3つあります。
1つ目は前職のコンサルティングの経験。リサーチや分析の経験は、網羅的に情報を集めて評価する新規事業の立案業務に役立っています。2つ目は同じく前職で経験していた広告、マーケティング。長く携わっていたので、新規事業支援の際に多角的なアドバイスができます。
3つ目が『omochi』での事業運営経験で、これが一番大きいですね。『omochi』の事業運営をしているときは目の前の課題にとらわれてしまい、日々自分の視野の狭さを実感して反省することも多くありました。ここから、網羅的な視点と現実的な目線を交互に使うことが事業を探索・評価する中で大事だと学んだのです。
ーー具体的にどのような経験をして、網羅的な視点と現実的な目線を得たのでしょうか?
事業アイデアは課題ベースでロジックを積み上げて作っていきます。しかし実際に作ったソリューションを業務に落としていくと「思っていたのとは違うこと」ばかりで、現実の厳しさを目の当たりにするんですよね。
たとえば、サービスを販売する前、お客様の導入根拠を中心に提供価値や価格、販売方法を考えていきますが、実際に販売してみたらうまくいきませんでした。セールス上の反応は良かったのに、なかなか成約に至らなかったのです。
それはオンボーディングやフローについての配慮が足りなかったから。導入した際のお客様のフロー上のリスクまで視野に入れて考えないと、お客様は成約に踏み切れません。
そうした経験を重ねて、自分の中にチェックリストを増やしていくと、アイデア段階の想像と現実の乖離がなくなっていきました。実地経験で身に付けた網羅的な視点と現実的な目線は、現在の業務にもフィットしています。
また各事業の支援業務で、事業オーナーと意思疎通がしやすいのはこれらの経験があってこそ。事業運営を経てさまざまな目線を使えるようになったことで、事業のプロセスや機能を細分化して見られるようになり、的確なアドバイスがしやすくなりました。
ーーあらゆる経験が今に活きているのですね!では、現在の仕事の面白さを教えてください。
事業企画するポジションなので、さまざまな事業が見られるのはもちろん、日々新しい課題に触れられるのが面白いです。関わるメンバーも多様なので、彼らの思考に触れること自体が刺激的でワクワクします。
事業の検討プロセスやフェーズによって、自分が経験していない事案に向き合うことも多々あり、その度にどうすれば良いかと頭をフル回転させるのは結構疲れます。しかし、それを凌駕するほど面白い作業です。
複数のプロジェクトに関わる立場として、自分の生産性を高めるという課題はありますが、そのチャレンジもまた楽しいです。常に考えるべきことが変わっていく目まぐるしさの中、今すごく充実しています。
「疑うこと」と「素直さ」の両立で事業成功を目指してほしい
ーーパーソルイノベーションでシリアルイントレプレナーをやる価値は何だと思いますか?
成長する機会がたくさんあることだと思います。新規事業を専門的に考えられる環境が整っているので、考え、実行することに時間を割きやすいんですよ。
当社の場合社内で事業を立ち上げるため、コーポレート部門のさまざまなサポートが受けられます。事業に専念できるのは圧倒的に恵まれた環境でしょう。
また事業オーナーとして任せてくれるので、自分で判断しなければならないシーンも多いですが、その分チャレンジ精神を認めてくれます。
事業オーナーが成長しないと事業も成長できないので、責任は重大です。けれどしっかりコミットすれば、自身も事業も右肩上がりに成長できると思いますよ。
ーーではどのような方がシリアルイントレプレナーに向いていると思いますか?
疑える人、でしょうか。自分の心に湧いた疑問を追求できる人。
「お客様の発言には、どういう背景があるのか」など物事の課題を見つけて、それを構成する要素を深掘りできる人が向いていると思います。調査結果を鵜呑みにするだけではダメです。
一つエピソードを紹介しましょう。
ある食器メーカーがグループインタビューを開催した際、お土産にお皿を数種類用意したそうです。インタビューでは「四角くてスタイリッシュな黒いお皿が良い」と答える人が多かったのに、実際に多く持ち帰られたのは丸くて白いお皿でした。
目の前に見えている情報と本当の声は、別のところにある可能性が十分にあるということですね。大事なのは「本当は何が起きているのかを見極めようとする姿勢」なのだと思います。
もう一つ、シリアルイントレプレナーに大事な要素として、素直に人の話が聞けることがあります。自分のこだわりを持ちすぎない姿勢が大事です。
人は自分で見つけたアイデアや仮説を宝物のように大事に抱え込みがちですが、実際の市場やお客様に受け入れられないときは、捨てる決断が必要です。それができる素直さと、次のプランを考えられる柔軟さを持っていてほしいですね。
「疑うこと」と「素直さ」は二律背反するものですが、バランスをとりながら考え抜ける人は本当の意味でシリアルイントレプレナーに向いているのではないでしょうか。
ーー最後に、パーソルイノベーションのシリアルイントレプレナーに興味を持っている方にメッセージをお願いします!
パーソルグループという大きな組織の中で新規事業をやるのは、軽い気持ちではできません。起業家は皆、熱意を持って自身のアイデアを実現しようと奮闘しますが、シリアルイントレプレナーにはそれに加えて社内での説得力を持つことが重要です。
起業家的な資質も必要ですし、事業オーナーとして経営層に説明責任を果たすシーンでは、合理的に様々な情報を判断していく胆力も求められます。
またパーソルイノベーションに限ったことではありませんが、事業運営はやりたいことが無尽蔵に出てきても、その中で事業としてやり抜けるのはごくわずかです。ほとんどのアイデアは取捨選択のなかで消えていきます。
しかしそのわずかに残ったアイデアに磨きをかけ「事業を成功させたい!」と強い気持ちを持っている人は大歓迎です。ぜひ一緒に次のパーソルグループの柱を見つけて育てていきましょう!
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